「セクシーな自己紹介」ができる人が得なワケ 強烈かつ長期記憶に残る紹介をしてみたい
たとえば、アップルの創設者スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式でのスピーチは、伝説的スピーチと言われるほど世界的に評価され、YouTube上では合計約3000万回視聴されています。卒業生へのメッセージではありますが、ジョブズの半生を踏まえた自己紹介でもあります。
生みの母から養子に出されたこと。大学中退したときに出会ったカリグラフィの知見が、10年後マッキントッシュを開発する際に役立ったこと。30歳で自ら創設したアップル社から追い出されたこと。それが「人生で最も創造性豊かな時期」ととらえ、「起こりうる最善のことだった」であり、結果的にアニメーション制作会社ピクサーを生み出し、再びアップルの経営者に舞い戻ったこと。1年前にがんと診断されたこと。死について考え、今日が人生最後の日だと思って、自分の心と直感に従って生きること……。
自身の生涯を語りながら、卒業生たちに大切なメッセージを伝えているわけです。15分弱のスピーチですが、世界中の多くの人々の心を動かし、影響を及ぼした伝説的自己紹介といえるでしょう。
実はかなり用意周到な準備をしていた
ジョブズは、プレゼンの天才としても有名ですが、単に生まれつきの才能というよりも、かなり用意周到な準備をしています。初めは原稿を用意し、練習してリハーサルを行い、最後には原稿を捨てて、プレゼンを行うのです。リハーサルには丸2日間費やし、本番とまったく同じリハーサルも1回か2回行うそうです。話の流れを思い出すためにメモを持つことはあったそうですが、原稿をそのまま読むということはありません。
ジョブズが何の準備もなく伝説的プレゼンを行えたのであれば、誰も真似はできません。しかし、準備にかなりの時間をかけているのであれば、その方法を取り入れて、自分のケースに応用することは可能です。
その際に活用できるのが暗記術です。暗記術というと、試験や語学のためのインプット型の暗記術を思い浮かべがちですが、その暗記術を反転させて、アウトプットに応用すると、逆に人々の記憶に残りやすい自己紹介が可能になるのです。
人間の記憶定着に効果的なポイントは、具体的には3つあります。
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