東京ドームシティに「卓球場」ができたワケ ニッタクが取り組む卓球普及活動の狙い

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卓球教室には硬式球を使用した一般・ジュニア向けのみならず、ラージボールを学べるコースを導入している。ラージボールとは、直径44ミリ、重量2.4グラム(普段の卓球で使用する硬式球は直径40ミリ、重量2.7グラム)の大きいボールを使用している初心者向けの競技だ。

ボールの回転数が少なくスピードも抑制されるため、ラリーが続きやすいことが大きな特徴だ。

加えて、視界に入りやすい目立つオレンジ色(硬式球は白)のボールを使用しているため、50歳以上の年配の方でも無理なく楽しむことができる「生涯スポーツ」として近年ブームとなっているそうだ。

平野氏は報道陣の前で人生初というラージボールに挑戦したが、「だいぶ力を入れているのに全然スピードが出ない」と苦戦。

ラージボールをプレーする平野さん(筆者撮影)

同競技で使用するラケットのラバーは表面がつぶつぶの表ソフトのみとなっているため、普段使わないラバーの感覚にも慣れない様子だった。

それでも「ラージボールの鬼になる!」と気合いを入れると徐々に対応していき、現役時代さながらの鋭い打球を連発。

「ラリーが続いて楽しかった」と新しい卓球に触れた感想を述べると、教室に「入ります!」と入会を志願し、報道陣の笑いを誘っていた。

ニッタクは卓球の普及活動に尽力

4月6日が「卓球の日」であることをご存知だろうか。

この日は1896年に近代五輪が初めて開催された日であり、国際連合とIOC(国際オリンピック委員会)が2014年より「開発と平和のためのスポーツの国際デー」として設定。それをきっかけに、世界の国・地域の卓球組織を統括するITTF(国際卓球連盟)はスポーツへの情熱を高め、さらに多くの人に卓球を広めたいとの願いから、4月6日を「卓球の日」と定めたという。

それにちなんで、ITTFは「4月6日に卓球で世界中一つにつながろう!」というプロジェクトを設立。ニッタクはこれを受け、東京・秋葉原の卓球名所「Akiba卓球スタイル」の協力のもと、「みんなでラリーをつなげよう!」をテーマに2015年から各所でイベントを開催しているのだ。

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