麻雀を「夢ある世界」に脱皮させる深い仕掛け 藤田晋×川淵三郎「Mリーグ」2トップ初対談!

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川淵:麻雀は、Jリーグがスタートする前、30年くらい前に一切やめたんだけれど、3〜4年前から年寄りばっかりが集まる地域の麻雀大会に参加し始めたわけです。もちろん、賭けずに麻雀を純粋に楽しんで、年間集計をして暮れに表彰をする。毎週水曜日にだいたい10人ぐらい集まってやるんだけれど、「明日は麻雀だ!」ってすごく楽しみにしているくらい本当に楽しい。だから、藤田さんから話をいただいた時、僕としてはすごくうれしかったですね。

川淵氏(右)は毎週水曜、麻雀を楽しんでいる(写真:川淵氏提供)

それから、僕は知らなかったんだけれども、藤田さんから「麻雀が五輪の正式種目になるかもしれない」という話を聞いて、これは麻雀そのもののイメージが大きく変わるなと思うと同時に、そういうことなら、ますます競技麻雀の発展に携わりたいと思いました。やっぱり麻雀ほど飽きないゲームはないし、頭を使うゲームもない。やればやるほど、知的ゲームの要素が強いと感じるよね。(注:2022年の北京冬季五輪に向け国際麻雀連盟が室内競技の正式種目としてIOCに申請中)

藤田:僕も麻雀が世界最高の完成度のゲームだと思っています。麻雀って一見、運で決まるように見えますが、技術を磨き上げたプロたちが戦うと、長い目では実力差が本当にはっきりしてくるんですね。4人で打つので平均勝率は当然2割5分ですが、本当に強い麻雀プロだと3割以上になります。ただ、1回、2回の対局だと、アマチュアがぽっとトッププロに勝てたりするというのも、また麻雀の面白いところですが。

川淵:それはまあ、アマチュアがプロゴルファーと18ホールやって1ホール勝つことだってたまにはある(笑)。だけど、僕なんかも地域の人との麻雀で年間を通しての得点をつけているけれど、やっぱり実力のある人が上位にくるわけで、たまたまその日に勝ったって長続きはしない。

ところで、麻雀のプロは今、2000人くらいいるということだけれども、どういう食い扶持というか、仕組みになっているのかな?

食えるようにしたい

藤田:それがですね、トップリーグがAリーグで、その次にA2とかB、C、Dと続くのですが、その全員がプロリーグに参加するための参加料を毎月払っているんですね。それを運営資金にして賞金を捻出しているのですが、B〜Dリーグの選手は実質、持ち出しで、プロが2000人いると言っても、実際に職業として成立している人は100人もいないと思います。

川淵:Mリーグは、初年度は1チーム3人で7チームあるから21人。21人って、もう日本のプロ中のプロだから、せめてその人たちには、みんなから「目指したい」と思われるくらいの収入があるといいよね。

バスケットボールの「Bリーグ」に携わることになって、僕が初めに言ったのは、「1億円プレーヤーをともかく5年以内に出そうよ」と。来年くらいには出そうな感じがあるけれども、やっぱりMリーグも「これしかもらえないの?」という感じじゃなくて、夢を見られるくらいにしないと、つまらないと思うけれどね。

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