麻雀を「夢ある世界」に脱皮させる深い仕掛け 藤田晋×川淵三郎「Mリーグ」2トップ初対談!

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川淵:そういうことをした選手は、ともかくこの業界とは関係がなくなるんだ、ということで。けれども、チームや監督の責任については、選手の生活を24時間すべてついて見ていられるわけでもないので、全部責任を負えと要求するのは、それは無理だね。「そういう人を選ぶほうがおかしい」と言われたって、そこまで人間の全部をわかりはしない。線引きだけしっかりとしておけばいいわけで。

対談後も「麻雀の魅力」をめぐる談笑が続いた(撮影:ヒダキトモコ)

Mリーグが始まれば、ほかにもいろんな間違いが起きるだろうし、世間に問題を引き起こすことだってあるだろうけど、「これはこうしたほうがいい」「次はこうしよう」と、都度修正して「トライ&エラー」でやっていけばいいわけであって、最初から完璧な制度なんかできやしないですよ。そこは、ある種ドライにいかないと。

だから僕が、Jリーグを発足させた時に「走りながら考える」と言ったのは、そういう意味です。とにかくスタートして、何か問題があったら都度変えていけばいいじゃないかと。完璧な制度は神様以外作れないんだもん。それに、時代に応じて必要な制度は変わっていくしね。だから、Mリーグも走りながら考えればいいと思いますよ。

藤田:まさに僕も、走りながら考えたいと思っていたので、そう言っていただけると助かります。想像するといろんなケースが思い浮かびますが、都度解決していきながらルールを作っていくしかないのかなと。定期的にお時間をいただいて、アドバイスをいただけたら幸いです。

川淵:経験からいろいろアドバイスできることも結構多いと思うんだけども、それもやってみなくちゃわからない。まあ、僕としてはいい加減な気持ちでお引き受けしたわけじゃないですし、一生懸命、相談役を務めさせていただけたら、と思っています。

関西や東北など全国への広がりも

藤田:よろしくお願いします。あと、これも難しい問題で、地方の開拓も進めていこうとは思っているんですけれど、参加企業が東京に集中しておりまして。

川淵:このMリーグに関しては、JリーグだとかBリーグだとか、そういう感覚で見なくてもいいんじゃないかなと思いますけどね。無理に全国区にする必要はない。東京は東京でリーグを組んで、新しく東京以外の企業が参加するのであれば、関西Mリーグとか、東北Mリーグのようなものを別途、作っていく。それで、最後に日本シリーズのような形で、各リーグの優勝チームが対決する。そういう感じのほうが僕はいいと思うね。

藤田:なるほど、それはいいですね。スケール感が出てくるというか、夢が広がりますね。そうなるよう、頑張りたいと思います。

井上 理 フリーランス記者

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いのうえ おさむ / Osamu Inoue

1999年慶應義塾大学総合政策学部卒業、日経BP社に入社。以来、IT・ネット業界の動向を中心に取材。『日経ビジネス』「日経ビジネスオンライン」「日本経済新聞電子版」などの記者を経て、2018年4月に独立。著書に『任天堂 “驚き”を生む方程式』(日本経済新聞出版社)、『BUZZ革命』(文藝春秋)。

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