私が「都立小山台高」で得た代えがたい財産 経団連会長の中西宏明氏が青春時代を明かす
社会に出て高校のOB会や人脈が役に立つといったことは特にない。でも、「お前もか」というのは時々ある。
たとえば、新日鐵住金の宗岡(正二会長)さんは僕の1学年下。在学中は知らなかった。新日鐵さんといえばウチの大事なお客さんなので訪問するんだけど「先輩」って(言われる)。
宗岡さんの兄貴(広太郎氏)もOBで私の5学年上。宗岡さんは僕が工場勤務のときの総務部長で、日立の専務までやった。
先輩後輩は結構いる。キヤノンの御手洗(冨士夫会長CEO)さんは今でも結構お会いする。
あとは有名な人は菅(直人元首相)さん。NHKのアナウンサーだった宮川(泰夫)さんは同じ学年でよく知っている。1年のときに同じクラスじゃなかったかな?彼とは気楽に話をする仲だった。
高校では勉強を一生懸命やっていた。英語は好きで得意だった。英語の先生から「あなたは100点取らないとダメだ」と言われたこともあるが、英語はやっておいたほうがいいよね、と。外国語が好きな姉の影響もあったかもしれない。
大学3年生のときに初めて海外、米国に遊びに行った。大学の先生から推薦状や紹介状をいっぱいもらって西海岸と東海岸の大学めぐりをやった。ちょうど半導体の黎明期で、商用のコンピュータが出た頃で、IBMも訪れた。
リーダーを育てる出発点が高校だ
日本はエリート教育ということ自体がけしからんという風潮があるが、世の中はリーダーが引っ張っていく。リーダーを育てる出発点が高校だと思う。
都立高校の旧ナンバースクールの復活ではないが、新しいエリート教育の確立は必要だ。大変だから受験科目を減らすなんて馬鹿なことをしてはいけない。
あと、やはり本を読む、読書量。高校時代は何でもいいから本を読んだほうがいい。
受験勉強が始まる直前まで、毎月文庫本40冊くらいを読んでいた。だから、よく授業をさぼった。商店街で買い食いしたり、本屋で入り浸りになっていたりね。成績がいい奴はさぼってもいいという雰囲気だった。
今の高校生には、まず自分がどういうところでリーダーシップを発揮できるか、リーダーシップを取ることの面白さを若いときからぜひ学んでほしい。
そのためには知識もいるし、人を説得する力もいる。そういうことを勉強しているのであって、それと受験勉強は矛盾していない。
学校の勉強が苦手な子どもに対しては、よく自分がやりたいことを早く見つけなさいというが、それは難しいのが現実だ。
だから、人の付き合いが大事だろう。当時の小山台は、そういう意味での人の付き合いは豊かだった。
高校時代は振り返ると財産だと思う。(談)
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