ベンツがカーシェアで狙う脱「高嶺の花」 ドコモと初タッグ、「無料試乗」は最大2時間

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NTTドコモによると、dカーシェアの登録会員は約5万人。自動車への関心が元々高い層に接点を持てるのは販社側にとって魅力的だ。会員のボリュームゾーンは都市部に住む30代男性で、MBJが新車販売の拡大を狙うターゲット層と重なる。NTTドコモの契約者でなくてもdアカウントを持っていればdカーシェアに登録でき、すぐに予約可能だ。

MBJはこうした手軽さが今回の試乗サービスに対して心理的なハードルを下げることにつながると見た。dカーシェアが提携するカーシェア事業者は現在オリックスカーシェアのみだが、拡大も検討している。MBJはそうした顧客基盤を積極的に活用していきたい考えだ。

東京都内のカレコのカーシェアステーションにあるメルセデス・ベンツの車両(写真:カレコ提供)

MBJはこれまで、三井不動産リアルティが運営するカーシェア大手「カレコ・カーシェアリングクラブ」に車両を提供し、カーシェアから新車購入につなげる取り組みを進めてきた。2016年に開始し7月末現在のラインナップは21車種計約80台。2018年5月でのカレコの車両稼動率上位10車種のうち8車種がメルセデス車と、20~30代の若年層を中心に圧倒的な人気を誇る。

両社は8月末までMBJの会員サイトに登録すればメルセデス車利用料金を割引する「試乗キャンペーン」も実施中だ。MBJにとっては新車購入につながり、カレコとしても外国車に憧れを抱く層を取り込むことができ、双方に大きなメリットがある。カレコの退会時にはその理由を問うアンケート調査を実施しており、三井不動産リアルティの担当者は「『メルセデス車を購入するから退会する』と回答する人も結構いる」と話す。

アウディはレンタカーで試し乗り

輸入車4位のアウディジャパンも、手軽な「試し乗り」から商機を生み出そうとしている。今年6月から、コンシェルジュ(案内スタッフ)による車両の引き渡し・引き取りサービスが売りのレンタカーサービス「アウディ・オン・デマンド」を都内13区と千葉県の一部地域で始めた。

小型車「A1」(車両本体価格:税込み249万円)から高級スポーツカー「R8スパイダー」(同2623万円)まで、専用サイトで予約すれば希望の日時・場所に持ってきてもらえるため、ディーラーに出向く必要はない。料金は1日1万8000円~12万8000円とほかのレンタカー業者に比べて割高だが、コンシェルジュから引き渡し時に車両の特徴や機能の説明を受けられるなど、車をじっくり見極める機会としても活用できる。

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