それゆえにインテリアもダッシュボードに従来のメーターフードがなく、ダッシュボードの半分以上を一枚のパネルが占めている新鮮な造形となる。この1枚のパネルは実際には、10.25インチのディスプレイが2つ並べられる構成で、すでにSクラスやEクラスでも同じ方式が用いられている(モデルによって7インチ×2という構成や、7インチ&10.25インチという組み合わせになる)。
そしてそれぞれの画面はハンドルに搭載されたタッチコントロールボタンおよびセンターコンソールに置かれたタッチパッド、または画面に直接触れて動かすタッチスクリーンのいずれでも操作が可能だ。
“インテリジェントボイスコントロール”とは
しかしながらMBUXで最も印象的なのは“インテリジェントボイスコントロール”と呼ばれるシステムを備えたこと。
これはアップル社のiPhoneにおけるSiriや、グーグルホームやアマゾンエコーといったスマートスピーカーなどと同じように、曖昧な会話でもAI(人工知能)が理解をし、インフォテイメントや車両操作関連の機能を動かすことができる仕組みである。
Aクラスのレポートでも記したが、ドライバーが、「Hey Mercedes」と呼びかけるとシステムが起動して、対話形式でシステム操作ができるのだ。
このAクラス・セダンの登場は、おそらくアメリカ市場では現行のCLAクーペにとって変わるものだと筆者は予測する。また今後はこのAクラス・セダンの派生モデルとして、現行のCLAシューティングブレイクに取って代わるAクラス・ステーションワゴンが登場するかもしれない。
さらにいえば、今回CLAクーペに取って代わってAクラス・セダンが登場したことで、今後の次世代コンパクト群には2ドアクーペなどのバリエーションが展開される可能性もある。そしてもし2ドアクーペが加われば、さらにその派生としてカブリオレも……といった具合で、バリエーションはさらに広がっていくと考えてもおかしくはない。
なぜならメルセデス・ベンツにとってのコンパクトモデルは、ブランドイメージを若返らせると同時に新規顧客開拓のための重要な存在。そしてここで獲得した顧客を次のCやその他にステップアップさせるためにも、多種多様なユーザーに「初めてのメルセデス」を提供したいと考えている。
そうしてこれまでにない層を取り込んだ新たな循環を生み出すことで、このブランドをより強固なものにしていく、というわけだ。
今回発表されたAクラス・セダンの初お披露目は2018年10月に開催されるパリショーとなる。
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