「愛媛のみかん」豪雨で受けた甚大被害の全容 宇和島市の農業関係で150億円にも上る
「全国の皆さんに伝えてほしいのです。農家を支えてもらえませんか?」
そんな連絡を受け2018年7月25日に愛媛県宇和島市吉田町を訪ねました。
愛媛県といえば、温州みかんや伊予柑、ブラッドオレンジなど、柑橘類の生産日本一を誇る一大産地。1年を通して温暖で晴れの日が多く、畑の土も水はけがよく栄養分を多く含んでいることから柑橘類の栽培に適した地域です。
愛媛県でのみかんの栽培は、江戸時代の終わりごろ、宇和島市吉田町で伊勢参りや四国巡礼で手に入れたみかんの苗木を植えたのがはじまりとされています。
ところが、今回の西日本豪雨によってその吉田町では壊滅的な被害が発生しました。町の至る所で土砂が崩れ、みかん畑が飲み込まれ、手塩にかけて守り育ててきた木々が流されてしまったのです。
宇和島市の農業関係 被害総額150億円のインパクト
宇和島市によりますと、7月25日現在で、農地やため池など1700件以上に被害が出たということです。まだ被害の全容は把握できていません。愛媛県の発表によると、いまわかっている範囲での被害総額は宇和島市の農業関係全体で150億円近くにも上ります。今後、生産を続けられる農家がどのくらいいるのかなど詳しい実態調査はこれからです。