日本人と中国人の変化する「国際結婚」事情 若い世代の在日中国人は昔とは違う感覚だ
日本人と違う魅力もあるそうだ。
実際、筆者がインタビューした日本人女性の話によれば、中国人男性は最初「怖そう」に見えるが、実際はとても優しい、という。「今までデートで、割り勘したことは一度もない。いつも当たり前のようにごちそうしてもらっている。ファミレスでもとてもうれしい」「バッグや荷物を全部持ってくれるの。買い物も付き合ってくれてうれしい」「親に会うときも、ちゃんと責任を持っていろいろ話してくれて安心」……。
「中国人彼氏に比べると、日本人男性は本当にケチ」とのコメントも飛び出した。日本は、女性の社会進出が進み、個人主義になってきたため、カップルでもある程度までしかお互いの面倒をみないし、各自が独立した生活を持つ。割り勘が文化になっている。
一方中国は、まだ家父長主義であり、自分の妻は自分の一部なので、高価なブランドを買うのも、一緒に買い物や旅行に行くのも、自然である。
つまり、中国人男性は、家事をして、家庭生活を重視する、いつも一緒に行動してくれてケチでもない。今までの日本人男性と違うところで自分のニーズを満たしてくれる。それもあるので、中国人男性が少しずつ人気になっているのであろう。
これからの日中ビジネスの懸け橋になるかも
今まで婚姻の話をしてきたが、実はこれから最も期待できるのは、今後の日中ビジネスである。日中夫婦は、生活を通して日本と中国の価値観、言葉の違いがわかるようになる。その効果により、日中ビジネスで新しい道を開く可能性がある。
何より、その子どもは両国のネーティブとして大きく期待できる。月木:日本語、火金:中国語、水土:英語、日:自由あるいは中国地方の方言、というようなスケジュールでハーフの子どもに言語教育をしている日中夫婦の家庭は少なくないようだ。
実際、今の20代、30代の日中ハーフはインバウンドや中国ビジネスでとても活躍している。言葉だけではなく、両国の感覚、事情を理解しているので、今までできなかった、埋められなかった「ギャップ」を埋めることも可能になるかもしれない。
日中の国際結婚ないし日本人の国際結婚は全体数に比べれば非常に少数派ではある。だが、内向きの日本社会で、異文化と相互理解を深める新鮮な切り口かもしれない。日本の国際化にもつながってくるのではないかと筆者は期待をしている。
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