日本人と中国人の変化する「国際結婚」事情 若い世代の在日中国人は昔とは違う感覚だ

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当時来日した中国人が、どれだけ刺激を受けたかも想像に難くない。来日した人の口コミや、そして日中友好の時期でもあってか、中国人は、なんとなく日本に対してある「あこがれ」を抱いていた。

もちろん、結婚して日本で暮らすことは、「自慢」できることだった。年上の日本人と結婚して毎年帰省する親戚のおばさんがくれた見たこともないかわいい文房具、ハンカチ、お菓子は毎年旧正月明けにいちばんクラスで自慢できるものだったこと。

娘が日本人と結婚したので、両親は当時配給制だった電気製品や外国人しか買えない商品も買えるようになり、周りからちやほやされる話はドラマでも現実でもよく聞く話だった。

しかし、30年経った今はどうか。

品物の豊富さ、生活の便利さについて、中国国内でのレベルは飛躍的に高まった。スマホ決済や無人コンビニなどスマホを活用したサービスにおいては日本よりも先進的だ。海外の情報もリアルタイムにフォローしており、特に欧米の商品であれば、同時発売なども増えているため、中国の若者は感覚が世界とシンクロしてきた。

お金に余裕のある在日中国人の若者も多いのは事実

また、一人っ子政策の結果、今の若者は両親と祖父母たちのシックスポケットで支えられ、経済的に余裕がある中で育ってきた。大学、留学の学費や生活費を親からもらうことも当たり前。「子どもにできるだけの最高を提供」と思う親が多いので、大学でバイトしながら生活費を稼ぐ日本人若者より、中国人留学生のほうが持っているお金が多いこともあるだろう。

「BAPE」でも「Supreme」「COMME des GARÇONS」でも、有名ブランドを、日本人がユニクロを買うような感覚で買っている若い在日中国人も多い。

となれば、結婚も国籍にとらわれず、気持ち優先で選ぶようになった。

「日本人の彼氏が家族に『向こうの貧しい中国人の親戚が来たらどうする?』と猛反対されているみたい。彼のことが好きだから我慢しているが、どっちのほうが貧しいの?とこっちが聞きたいぐらいだわ」と中国南部にある大手民間企業経営者のお嬢様が思わず本音を明かしたこともあった。

2.共通話題で共感が増えた

現在30代の中国人は、中国における初めてのアニメ世代だ。「ドラえもん」「北斗の拳」「聖闘士星矢」「花の子ルンルン」「名探偵コナン「スラムダンク」「フルーツバスケット」「ワンピース」など、日本の文化が徐々に浸透してきて、知らないうちに両国の若者の間で共感ができることも多くなってきた。

あるアニメファンは、念願の初来日を果たしたとき、東京タワーで「ワンピース」の催事を見て、秋葉原でグッズを爆買い。そのあと「スラムダンク」の聖地である鎌倉高校前の踏切で写真を撮って、そのまま鳥取に行き、「名探偵コナン」の町を巡礼した。

アニメに出た天丼やビールを楽しみ、独学した「ただいま」「いただきます」「すみません」などの日本語を話す。「少ししゃべれば日本の文化、アニメの世界とつながる気がする」と。こんなことがきっかけで日本に留学する中国人も少なくない。

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