「ゲーム依存の子」を救う方法は結局あるのか その症状はコカイン中毒にも似ている

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ゲーム依存の子どもと親にとっては、グーグル検索や口コミが頼りだ。「ストップゲーミング(StopGaming)」といったオンラインフォーラムをのぞくと、ゲーム依存で苦しんでいるのに、精神科医に笑われたことを打ち明ける書き込みもある。治療基準を定めたり、問い合わせに応じてくれる公的機関も存在しない。

「まったくの放置状態だ」と、ゲーム・クイッターズのアデアは言う。「(治療)のクオリティーはまったく管理されていない」。

アデアは10代のとき学校でいじめを受け、うつになり、学校を中退した。それをきっかけに、実家の地下室にこもり、『スタークラフト』といったゲームに没頭するようになった。両親にはアルバイトを見つけたと言ったけれど、こっそり帰宅してゲームをする日々だった。19歳のとき自殺を考え、遺書まで書いた。

約330万円の治療プログラムが人気

このままじゃいけないとアデアは思ったが、どこに行けば助けが見つかるのか教えてくれるリソースはなかった。そんな経験をブログに書き、のちにTEDxでも話した。彼が立ち上げたゲーム・クイッターズのサイトには、現在世界91カ国から毎月5万人のアクセスがある。

リズ・ウーリーは、熱狂的なゲーマーだった息子が自殺を図ったのをきっかけに、2002年に「オンライン・ゲーマーズ・アノニマス(On-Line Gamers Anonymous)」を立ち上げた。このサイトでは、医療専門家のリストを掲載している。ゲーム依存を見た経験は保証できないが、「どんな治療もないよりはましだ」と、ウーリーは言う。

実際、信頼できるゲーム依存治療法の需要は高い。シアトル近郊にある滞在型リハビリプログラム「リスタート(ReStart)」の場合、7週間の基本治療料金は約3万ドル(約330万円)だが、1カ月待ちの人気となっている。

患者は6人グループ(たいてい男性)で、まず豊かな自然に囲まれた静養所に入る。電子機器は使用禁止で、仲間との交流や運動に重点が置かれる。リスタートが設立されたのは約10年前だが、最近青少年向けのプログラムもスタートした。

(執筆:Tiffany Hsu記者、翻訳:藤原朝子)

© 2018 New York Times News Service

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