インドの女性が水を飲まない悲しすぎる理由 異例の熱波と水不足が続いているのに…

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外で排泄する女性の多くが、男性からじろじろ見られるなど卑猥なハラスメントの標的になる。

公衆トイレを利用するというサビータはある日、そのトイレで女性が暴行されている現場に出くわした。毎日その恐怖を抱えながら生活する。「だから私たちは毎回女だけで集まって、森に入って用を足すわけ。いちいち頼まなければならない」

モナもサビータも、レイプやハラスメントを避けようと結局、自分の健康を犠牲にしている。健康よりも身の安全を優先せざるを得ない彼女たちの身に、何が起こるだろう。

「身の安全」と「健康」を天秤にかけ…

西部グジャラート州の最大都市アーメダバードで熱波の研究に取り組んでいた、米シンクタンクのランド・コーポレーションの研究員Gulrez Shah Azharは、熱波が原因で死亡するのは男性よりも女性の方がはるかに多いことに気付いた。Gulrezが言うには「意図的に脱水状態になることで、酷暑のなかで深刻な身体的トラブルを引き起こす危険性がある」

アーメダバードでは料理や掃除などの家事は女性の仕事とされるが、これでは健康を守ることなどできないという。

まず、「一般的に、屋内にいる女性は猛暑のリスクに晒されないと思われている」。そのうえ、一部の家庭ではずさんな電気供給のせいで、唯一の冷気の頼みの綱である天井のファンさえ当てにならない。また、屋内での調理は、室温を高める可能性もあるし、屋外の離れたところにある水汲み場と家を往復するのだって毎日の仕事だ。

ある女性は、「女としてまず、家事を終えなければならない」と言う。夏の間に、体の不調を自覚しながらも我慢していたら黄疸が出たそうだ。

バングラデシュのダッカ・トリビューン紙によれば、農村部に暮らす女性は、水汲みのために1日で5~20キロメートルの距離を歩く。家族のライフラインである水を絶やさないようにという重圧は相当なものだと伝えている。

ひどい熱波と水不足は、レイプに怯えトイレを控えて脱水状態に陥る女性達の健康をじりじりと追い詰めている。Gulrezは「女性を取り巻く衛生環境の問題に沈黙を続ける文化の行く先は『死』だ」、「長期的な解決策として、平等と女性の権利という課題への取り組みは絶対だ」と語った。

「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部

世界のニュースを独自の切り口で伝える週刊誌『ニューズウィーク日本版』は毎週火曜日発売、そのオフィシャルサイトである「ニューズウィーク日本版サイト」は毎日、国際ニュースとビジネス・カルチャー情報を発信している。CCCメディアハウスが運営。

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