日本人のセコい節約方法は効果が薄すぎる シンガポール流「5つの超節約術」に学べ

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「買い物を趣味にしない」「『もったいない』の精神を大切にする」と2つあげましたが、3つ目はなかなか日本人にはできないかもしれません。

3.徹底的に交渉をする

外国人はせせこましい節約よりも、事前に交渉をして有利な条件を引き出すことを好む人が多いのです。たとえば、私の夫がビジネススクールの仲間と一緒に海外ツアーに行こうとしたときのことです。仲間同士で「私はこのホテルをどれだけ安くすることができる」と、コネとネゴの競争合戦になったそうです。確かに、海外のホテルやレストランは、クレジットカードやメンバーシップ会員向けに割引率を大きくしています。友達が10人も集まれば、誰かしらがメンバーになっているので、皆で協力し合って節約をするのです。

インド人は「割り勘主義」、中華系は?

また、「ダッチ・ペイ」といわれる割り勘にも、国民性も出ます。「ダッチ」というくらいなので、オランダ人や一部のインド人など、お金にシビアな人たちとは割り勘になりやすいですが、主催者がすべての会計を持って「次はご馳走してね」というスタイルも海外では多いです。見栄の文化がある中華系、韓国系の人たちの場合、大盤振る舞いすることがよくあります。

ここでもお金を守りながらも、いかにケチと思われないように、それぞれが切磋琢磨しているのがうかがえます。

4.お金でお金を守る

日本でもホテルやデパートで一定以上の金額を使うと、駐車場代が2、3時間タダになったりすることがあります。シンガポールでは「コンプリメンタリー」といわれる会員特典などの無料優待サービスが非常に多いのです。

たとえば、ショッピングモールのメンバーシップを使えば、ゴンドラなどの乗り物が無料になったり、アパレルのメンバーシップで洋服の修理代が無料になったりします。

「コンプリメンタリー」の会員特典で無料宿泊したホテル。やっぱりおトクだ(著者撮影)

銀行では一定以上の預金残高があれば口座維持手数料を取られず、銀行のラウンジでコーヒーをタダで飲むことができます。投資信託の購入など、金融サービスも取引金額が大きくなると、手数料率が下がるのが一般的です。

このように、お金があれば、お金を浮かせることができる支出もたくさんあるのです。

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