「トークンエコノミー」は何がスゴいのか?

「感性」を売買できる時代がやってくる

価値を滞りなく流通できればまったく違う社会を実現できるかもしれません(写真:metamorworks/iStock)

インターネットが世界を激変させた理由は何だったのだろうか? 答えはいくつかあるが、「情報の移転コスト」がほぼゼロになったことだと筆者は考えている。

インターネットが普及し、人々は世界中の情報とリアルタイムにつながることができるようになり、それらを活用したさまざまなサービスが登場した。

たとえば、IT市場を席巻した企業たち“GAFA”が挙げられる。インターネット上の情報を整理しよりアクセスしやすくしたGoogle、スマートフォンの事実上の発明・普及によってインターネットにつながるのが当たり前という社会を実現させたApple、ヒトの情報を整理しアクセス可能にしたFacebook、モノの情報を整理しアクセス可能にしたAmazonといったITの巨人たちだ。

同時に、「情報の非対称性」によるマージンから高収益を生み出していたビジネスは、大きな打撃を受けた。商社のトレーディング業務などがわかりやすいだろう。

価値も情報と同じように爆発的に流通できる

では、「価値」についてはどうだろうか?

インターネットによって情報流通が爆発したように、さまざまな「価値」の移転をマージナル(ほぼゼロ)に行えれば、世の中の経済活動を劇的に広げられる可能性があるのだ。

「価値」の流通という点だけで言えば、最近話題になった例として、「VALU(バリュー)」や、「タイムバンク」がある。VALUは個人が自身の模擬株式(価値)を発行して売買をする。タイムバンクは「自分の時間」を10秒単位で販売するものだ。いずれのサービスも買い手が多いほど価値は上がる仕組みとなっている。

設計には「不完全」な部分が多く、試験的取り組みの域を出ていないといえるが、この2つが先進的な取り組みとして、多くの人々の「ものの考え方」にインパクトを与えたことの社会的意義は大きい。

「価値」の流通を実現するためには、「価値」が数字で可視化されていることが前提となるため、定量化プロセス(価格決定)について考察してみたい。

昔から存在し、今も一般的な方法は、「販売者側が価格を定め、その価格に応じた購入者のみが購入する」方法である。主に1:1での「相対取引」が世界中のあらゆる場所で行われている。

その後、登場したのが「市場取引」である。こちらは主に不特定多数の「n : n」の取引で、取引参加者の中で、同じ商品に対して最も安く売っても良い人と、最も高く買っても良い人で価格を決めて売買を行う方法である。この方法は、冒頭で取り上げたインターネットの登場により、取引参加者が1カ所に集まった価格決定の「情報」にアクセス可能になったことで取引が拡大した。

このほかに、中間的な存在として、オークション(売り手1:買い手n)や比較サイト(売り手n : 買い手1)などが存在する。

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