苦境ジャニーズが各局に仕掛けた全方位営業 テレビの「Jr.」大量露出は先行投資か、忖度か

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苦境のジャニーズ事務所がテレビ業界で全方位営業を仕掛けています(撮影:今井康一、尾形文繁)

今年は「ジャニーズ事務所の厄年」と揶揄されるほど騒動続き。関ジャニ∞のメインボーカル・渋谷すばるさんがグループ脱退、TOKIO・山口達也さんが未成年への強制わいせつ容疑で書類送検、NEWSの小山慶一郎さん、加藤シゲアキさんが未成年と飲酒、手越祐也さんも未成年と飲酒が立て続けに報じられ、ワイドショーやネットニュースを騒がせました。

そのたびに「今回のイメージダウンは致命的」「ジャニーズもいよいよヤバイ」などと危機が叫ばれましたが、上記の騒動がひと段落つきつつある今、驚きの新展開を見せているのです。しかも、それは戦略とも言うべき極めてビジネス的なものであり、周到な反面、強引さもチラリ。ビジネスパーソンには、参考にも反面教師になるものだったのです。

連ドラや夏イベントへの大抜てき

今年1月に「冬ドラマにジャニーズ主演が溢れかえる理由 強気の全方位営業はスゴいのかやりすぎか」というコラムを書きました。これは、「1~3月放送の連ドラで6人のジャニーズ所属タレントが主演を務めた(全体の約3割)」ことから、各局の各時間帯に自社タレントを送り込む全方位営業の是非を書いたものです。

ジャニーズ事務所は、いくつかの騒動を経てなお、再びこの全方位営業を見せているのです。

世間が山口達也さんの騒動で持ちきりだったころ、TBSがドラマ「花のち晴れ~花男Next Season~」にゴールデンタイムの連ドラ初出演のKing & Prince・平野紫耀さんを抜てき。主題歌もKing & Princeのデビューシングル「シンデレラガール」が起用されました。平野さんは主演・杉咲花さんの相手役であり、デビューシングルのタイアップも含め、他の事務所なら考えられない特別待遇と言えます。

次に、テレビ朝日が6月にバラエティ番組「裸の少年」をスタート。ジャニーズJr.をフィーチャーした番組で、Jr.内のユニット「HiHi Jets」「東京B少年」が出演しています。同番組は、かつてNEWS、KAT-TUN、Kis-My-Ft2らを輩出し、2009年に終了したものの、このタイミングで9年ぶりに復活。

さらに「HiHi Jets」「東京B少年」は、夏の一大イベント「テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER STATION」の応援サポーターに就任し、テーマソングも担当しています。テレビ局が会社を挙げた冠イベントに、ファン以外には無名の2グループを抜てきしたことに驚かされるのではないでしょうか。

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