「体温超え」が18歳未満の子に超危険なワケ 医学博士「体温調節機能が大人とは全く違う」

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特にアスファルト道は温度が高くなる。サッカーなど屋外のスポーツ施設によくある人工芝も高熱になるため注意が必要だ。

全国的に夏休みに突入するこれから。親や子どもにかかわる大人が子どもに異常を発見したとき、どうすればいいのか。

とにかく体を冷やすこと。エアコンの効いた部屋に運んで、そこで冷やす。大人の場合、クーリングのいちばんいい手段は氷水につけることだが、子どもはよほどひどい場合にしてほしい。また、よく屋外で熱中症で倒れた子どもの脇や足の付け根に保冷剤やビニール袋に入れた氷を挟むと聞きますが、効果はあまりありません。私たちも実験をやったけれど、それでは冷やすことができなかった」

そう教えてくれた永島さんは、子どもの熱中症予防のために活動する環境のガイドラインの必要性も感じている。

子どもの場合、屋外での運動や活動の安全域は、30~32度程度がひとつの目安だ。ただし、その温度以下でも、運動すれば熱中症が起きる可能性はある。

「子どもの自己申告」を待ってはいけない

加えて、実は危険なのは海やプールの中。水の中では、汗をかいても蒸発しないため、皮膚から熱を逃がしにくい。のどの渇きも感じにくいため、水分補給を忘れがちだ。脱水症状に陥るのを防ぐためにも、陸にいるとき以上に水を飲むことを意識すべきだろう。

最後にもうひとつ。子どもに対し「具合が悪かったら、先生(大人)に言いなさい」という働きかけには無理があるという。

「子どもは、自分の心臓がやたらドキドキして苦しかったりするのが、熱中症によるものなのか、運動によるものなのかは判断できない。彼らが容易に自己申告してくれると期待してはいけません。大人はもっと勉強してほしい」

子どもの体のことを知り、命を守る大人の責任をかみしめたい。

島沢 優子 フリーライター

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しまざわ ゆうこ / Yuko Simazawa

日本文芸家協会会員。筑波大学卒業後、広告代理店勤務、英国留学を経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。主に週刊誌『AERA』やネットニュースで、スポーツや教育関係等をフィールドに執筆。

著書に『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)、『部活があぶない』(講談社現代新書)、『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)など多数。

 

 

 

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