大谷翔平の打席で映えた「東京西川」の着眼点 選手のコンディション調整に深く関わる存在

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東京西川によるアスリートとのパートナーシップは、単に商品を提供してサポートすることや、広告を出稿することだけにとどまらない。ネイマール選手とは、彼が母国ブラジルに設立した貧困支援の施設「Institute Project Neymar Jr.」での支援を行ったり、日本の子どもたちに向けてサッカークリニックを行ったりしている。

また、メジャーリーグのレジェンド的存在であるハンク・アーロン氏と王貞治氏が設立した一般財団法人「世界野球少年推進財団」の支援や、「西川チェーン少年野球大会」の開催も30年以上にわたって行ってきた。実はエアーが開発される何年も前から、同社はスポーツと深いかかわり合いを持ってきたのだ。

ニューヨーク・ヤンキースの田中将大選手とは、共に東日本大震災の被災地にある小学校を訪れ、これまで小学生約800人を対象にキャッチボールを行ったり、一緒に給食を食べたりといった交流を継続的に行ってきた。

仙台市内の小学校を訪問した田中将大選手(写真:東京西川・田中選手は最後列中央)

このイベントは、田中選手の「子どもが笑顔になるような機会を」という思いに同社が賛同して実現したものだ。

このような活動においては、ネイマール選手が睡眠にかかわる公開測定(全身の体圧測定)を子どもたちの前で行ったり、田中選手のイベントでは小学校の児童にエアーのクッションをプレゼントしたりと、子どもたちが睡眠に関して考えるきっかけも与えている。

慈善活動においても、東京西川の「眠りの重要性を広める」というミッションをしっかり達成していることになる。

目先の損得よりも長期的なパートナーシップ

パートナーシップにおけるこのような慈善活動が、どれだけの費用対効果をもたらすかについては、数字とは違う尺度で測っていると竹内氏は語る。

「売り上げを伸ばすことももちろん大事なのですが、そういった目先のことよりも、契約したアスリートたちとどれだけ夢を共有できるか。ネイマール選手の施設の子どもや田中選手と被災地で出会った子どもたちが、いずれ世界に羽ばたくトップアスリートになる可能性もあるわけで、そんな夢をアスリートたちと共有することにこそ、このパートナーシップの価値があると思っています」

契約アスリートが実施している慈善活動に共感できる要素があれば、今後も積極的に参画していきたいと竹内氏は言う。

スポーツとのパートナーシップにおける東京西川のチャレンジは、これからも長く長く続きそうだ。

岡田 真理 ライター

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おかだ まり / Mari Okada

1978年静岡県生まれ、立教大学文学部卒業。プロアスリートのマネジャーを経て2007年よりフリーランスライターとして活動。『週刊ベースボール』『がっつり!プロ野球』『スポーツナビ』などで執筆するほか、『谷繁流キャッチャー思考』(日本文芸社)『北島康介トレーニング・クロニクル』(ベースボール・マガジン社)などの書籍で構成を担当。2014年に野球を通じてチャリティーなどの社会貢献活動を行うNPO法人「ベースボール・レジェンド・ファウンデーション」を設立。「プロ野球静岡県人会」の事務局長、および侍ジャパンU12監督・仁志敏久氏が主宰する野球振興プロジェクト「ホームベースクラブ」の運営も行っている。

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