新品の本にブックカバーをする日本人の機微 確かにハウツー本のタイトルは恥ずかしい

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ブックカバーの話に戻しますと、日本人が本にカバーをするのは、ほかの人の反応を気にする傾向が強いからというのもありそうです。たとえば、人と話す時に緊張してうまく話せない人は、こういうことを言ったら相手はどう思うか?傷つかないか?自分が相手にどう思われるか?そういうことを心配しているから、言うことを躊躇してしまうような気がします。

これとは反対に、ギリシャ人は、そのとき思ったこと、感じたことをそのまま言います。なので、言い争いになることもしばしばですが、言うことをためらったり、恥ずかしがってあまり話さないという人は、それほど多くありません。

山ちゃんがギリシャ人のようで違う点

これに似ているのが、南海キャンディーズの山ちゃんです。最近、ネットフリックスでテラスハウスのシリーズを観ています。日本人の生活が見られて面白いですし、また日本人にもいろんな人がいるんだなぁと、新しい発見もあります。

その中で、いつも注目して見ているのはストーリーの途中にある出演者のコメントです。特に山ちゃんは、ほかの人が言いにくいと思っていることでも、スパッと言ってしまいます。これはギリシャ人っぽいので、観ていてとても面白いです。

だけど、山ちゃんの考え方は、一見ギリシャ人に似ているようで、実は違う。ギリシャ人はその瞬間に思ったことをそのまま話す人が多いですが、山ちゃんは人のことを考えてほかの人が傷つかないように、また全体のバランスを壊さないように、ちゃんと計算して話しているように思います。すごく頭のいい人だと思いますし、ちょっと尊敬しています。

日本人にとっては「たかがブックカバー」かもしれませんが、私はこれを日本以外の国では見たことがありませんでしたので、日本人独自の考え方がここに表われているような気がしています。「神は細部に宿る」と言いますが、これからもこのような細かいところにも気を配って、日本のことをもっと知っていきたいです!

アナスタシア・新井・カチャントニ 通訳、翻訳家、ライター

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アナスタシア・アライ・カチャントニ / Anastasia Arai Katsantoni

ギリシャ生まれ。ギリシャの大学の専攻は物理だったが日本に興味を持ち、現在は通訳、翻訳家、コーディネーター、ライターとして活動。日本のポップカルチャーから伝統文化、料理まで、幅広い分野を研究。また、ギリシャで剣道を教える日本人の夫を手伝う傍ら、自らもギリシャ人に日本語を教え、日本の文化を伝えるべく奮闘中。現在はアテネ近郊に在住。ブログはこちら

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