新品の本にブックカバーをする日本人の機微 確かにハウツー本のタイトルは恥ずかしい

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クックパッドのレシピ本に掲載されている料理は、簡単に作れるし外れがないので、本当に便利です。私はいつも何か変化を加えたくて、パセリを入れてみたり唐辛子を入れてみたり、してみるのですが、夫には「レシピ通りに作って」と言われます。

もう1つ、ブックカバーをつける人を見ていて気が付いたことは、どういう本を読んでいるかを人に見せたくない、知られたくない。そんなちょっと恥ずかしがりなところがあるのではないかということです。

ギリシャ人は買う本の「言い訳」をする

でも、これは少しわかるような気がします。ギリシャで本と言えば、専門書のような堅い本や小説が多いですが、日本にはいろいろな本があるので、自分の好みがわかってしまうのが嫌なのかもしれません。『デキる人になるための○カ条』とか『モテたい人必見!』とか。確かに、こういった本を人前で読むのは、自分の弱みを見せているみたいでなんだか恥ずかしいですよね。

ギリシャ人にもこういう部分が少しありますが、日本人とはちょっと考え方が違います。プライドの高い人が多いので、たとえば少し内容が軽い本を買うときは、プラトンやアリストテレスなどの少し難しい本と一緒にレジへ持って行って、「やさしい本は子ども用、私はこっちの難しい本」とわざわざ言って、周りの人にアピールしながら買う人もいます。

もちろん難しい本はフェイクなので、読まないで本棚に収まります。もしかしたら10年後、その人の子どもが大きくなったら読むかもしれません(笑)。

それにしても、日本には悩みを解決するための、いわゆるハウツー本が多いですよね。たとえば、『人に好かれるための話し方のコツ』というような本を見かけたときはビックリしました。まず、皆が皆というわけではありませんが、ギリシャ人はおしゃべりな人が多くて、あまりこういう悩みを持たないので驚きました。

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