アマゾンやグーグルが冗談でなく危ない理由

成り上がった「GAFMA」の経済における脅威

巨大テック企業は次のように反論するかもしれない。われわれは新興企業に開発資金をつぎ込み、イノベーションを加速させているのだ、と。だが実際には、競合の芽を摘み取ることが買収の目的になっているケースが多い。

注目すべきは、GAFMAの売上高の大半が今も既存事業から生み出されていることだ。アップルは「iPhone」、マイクロソフトは「オフィス」、グーグルは「検索エンジン」といった具合にである。ということは、GAFMAを脅かす破壊的新技術は、買収によって発展の機会を与えられるのと同じくらい、闇に葬り去られていることになる。

個人情報の使用料を支払うべきとの意見も

独占禁止当局は、明らかに競争が阻害される場合でも介入を避けてきた。フェイスブックがインスタグラムを買収したり、グーグルが地図サービスで競合するウェイズを買収したりしたときなどがそうだ。消費者の負担するコストが不透明なIT(情報技術)の世界には、従来の独禁法はなじまないかもしれない。だからといって介入しなくてよいことにはならない。

喫緊の課題は、GAFMAに情報独占をやめさせることだろう。米国が手をこまぬいている一方で、欧州は対策に乗り出している。欧州連合(EU)で新しく施行された「一般データ保護規則(GDPR)」は、利用者が個人情報を自らの意思で他社に移動できるようにすることを企業に義務づけている。

経済学者のグレン・ワイル氏とエリック・ポズナー氏は、巨大テック企業には個人情報の使用料を支払わせるべきだと主張する。利用者には当然、自身の個人情報がどのように収集され、利用されているかを知る権利があるはずだ。

米国政府がやらなければならないことはほかにもたくさんある。たとえば、フェイスブックのようなプラットフォーム企業はフェイクニュースを垂れ流しても罪に問われない免罪符を手にしている。だが、活字媒体や放送局と同じ水準で責任を取らせなければ、真実に迫る報道は死にゆくだけだろう。このようなことは、民主主義だけでなく、経済にとっても有害だ。テック企業の本拠地である米国は今こそ目を覚まさなければならない。

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