auの人気シリーズCMが示す「好き」の波及効果 なぜ4年目でも飽きられずに支持されるのか

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2位に入った「意識高すぎ!高杉くん」シリーズはユーザーとより近い視点で『au』のサービスを深く、広く知ってもらうことを目的に今年1月30日に始まったシリーズである。

TVCM 意識高すぎ!高杉くん 「転校生」篇

“何ごとにも高い意識を持って取り組む高校生・高杉くん”役に神木隆之介、その同級生の“松本さん”役に松本穂香を起用し、高杉の意識の高い振る舞いの数々に松本が「意識高すぎ、高杉くん」とツッコミを入れるフレームで描かれてきた。ここに新キャストとして中川大志演じる“細杉くん”が加わったことでさらにCM好感度を伸ばし、シリーズの自己最高スコアを大幅に更新した。

高杉くんを上回る新キャラ・細杉くんが異彩を放つ

CMでは、高杉が細杉とは3歳からの付き合いだと松本に教えようとするも「2歳7カ月からでしょうが!」と指摘され握手をかわされてしまう。さらに会話の中でポイントと交換できるものについて問われた高杉は「ギフト!」と答えるが「厳選…ギフトだ」と完璧な回答を求められるといったやりとりが立て続けに映し出されていく。“高杉の幼なじみ”という設定通り、息の合ったコンビネーションでの掛け合いを軸に、細杉の“細かすぎる”性格を印象づけた。

なかには中川が連続ドラマで演じたクールなキャラクターとCM中での“濃い”キャラクターとのギャップに言及する感想も見られ、主人公に負けず劣らずの存在感を示した。

学園シリーズでは新たな登場人物がつきものだ。モニターの中にも「高杉くんの次は誰が来るのかワクワクしながら待ってて、細杉君と聞いたときには笑ってしまいました」というコメントがあり、今回のCMが想定内の展開でありながらも視聴者の期待を大きく上回ったことは、高いCM好感度が証明している。

三太郎の魅力のひとつに彼らの人間味あるキャラクターが挙げられるが、同社のキャスティングの巧みさは高杉くんシリーズにもそのまま当てはまってきそうだ。相棒を得てさらにパワーアップした“意識の高すぎる”高杉くん、登場するやいなや強烈な個性を発揮した“細かすぎる”細杉くん、ともに浮世離れしているようでクラスにひとりぐらいはいるかもしれない。

消費者にとってはUSP(=Unique Selling Propositionの略。独自の売り方)の違いがわかりにくい業界のひとつである携帯キャリア。

auのシリーズCMのひとつひとつに対する評価を細かく見ていけば「面白いけれど何のCMかわからない」といった意見が挙がっているのも事実だ。

だが一方で、三太郎シリーズを開始してからは、CM好感度だけでなく「愛用持続度」のポイントでも以前の倍程度の割合を示し続けている。これは回答時に商品・サービスを愛用していることを示す項目であり、携帯キャリアであれば「auユーザーからの支持」と言い替えられよう。つまり、auユーザーは、auというブランドをちゃんと「好き」なのだ。

機能や料金、端末の差を取り上げて勝負することが難しい中で、生活者の気分や期待を正確に読み取り、感情を動かしてCMやブランドを「好き」になってもらう。この「好き」という感情が、この「何でもある時代」にブランドを強くしていく上で実はとても大切なものなのではないだろうか。

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