「消しゴム」はどうやって字を消しているのか 意外と知らない、文房具の「すごい技術」

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ノーカーボン紙で文字が写るしくみ(イラスト:小林哲也)
マイクロカプセルはミクロン単位(イラスト:小林哲也)

FAXやレシートの用紙に利用されている「熱転写用紙」

ノーカーボン紙と同様の印字のしくみは「熱転写用紙」にも活用されている。熱転写用紙はFAXやレシートの用紙に利用されているが、プリンターヘッドの熱パターンがそのまま転写される紙である。紙表面に発色剤と顕色剤を混合しておき、熱でこれらふたつを化学反応させるしくみだ。

感熱紙のしくみ(イラスト:小林哲也)
『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

なお、カーボンを使っていないという意味で、ここで解説したノーカーボン紙とは異なる方式のノーカーボン紙も存在する。パイロットが実用化した「プラスチックカーボン紙」だ。これは、プラスチック層にインクを含ませた構造を採用し、手が汚れないように工夫されている。

以上、この記事では、私たちがよく使う文房具にまつわる“すごい技術”を簡単に解説した。「よくお世話になっているけれど、しくみはよく知らない」モノはまだまだたくさんある。私たちが日々“当たり前の生活”を送れるのは、身近なモノの“すごい技術”があってこそなのかもしれない。

涌井 良幸 サイエンスライター

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わくい よしゆき / Yoshiyuki Wakui

1950年、東京都生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)数学科を卒業後、千葉県立高等学校の教職に就く。教職退職後は著作活動に専念している。

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涌井 貞美 サイエンスライター

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わくい さだみ / Sadami Wakui

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。

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