元日本代表・廣瀬が語る「ラグビーW杯」の期待 アジア初の開催国となった日本、成功の鍵は?

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廣瀬は日本代表として1995年、1999年、2003年と3大会連続でW杯出場。「スーパーブーツ(魔法のスパイク)」などと呼ばれた正確なプレースキックが大きな武器だった。

1999年のラグビーW杯、ウェールズで行われた1次リーグのサモア戦でプレースキックをする廣瀬佳司(写真:アフロ)

だが、献身的なタックルも信条だったのだろう。「ギョウザ耳」は不断の努力の証左である。

ラグビーW杯が初の日本開催

――ロシアのサッカーワールドカップで盛り上がった後はラグビー。

五輪・パラリンピック、サッカーワールドカップと並ぶ世界のスポーツイベントの1つ、ラグビーワールドカップ2019日本大会(RWC2019)が2019年9月から日本で開催される。東京・調布の東京スタジアム(味の素)で9月20日に行われる日本対ロシアの開幕戦を皮切りに、11月2日の決勝戦まで日本全国12の会場で48試合の日程が組まれている。

日本代表はアイルランド、スコットランド、ロシア、ヨーロッパ・オセアニアのプレーオフ勝者、の4チームと同じ予選グループA組。

廣瀬 佳司(ひろせ・けいじ)/元日本代表選手。大阪府出身。小学2年時よりラグビーを始め、大阪府立島本高校在学時には高校日本代表選出。京都産業大学在学時にも日本代表に選出。1995年から3大会連続でワールドカップ出場。大学卒業後にトヨタ自動車入社。2007年に現役引退。2012年から3シーズン、自身が所属したトヨタ自動車ヴェルブリッツで監督を務める(撮影:今井康一)

2015年W杯で盛り上がったラグビー人気に再び火をつけるには決勝トーナメント進出が不可欠、と指摘するラグビー関係者は少なくない。

そのためには「ティア1」に属するアイルランド、スコットランドのいずれかを倒す必要がある。

「コンタクトやランニングのフィットネスはいいレベルに達している。(強いといわれる)ジョージアとのスクラムでも押し負けなかった。

“ティア1”の国々と比べて、差があるのはスキルの面。オールブラックスをまねるのではなく、パスの間隔やランニングコースを見直すなど日本特有のスキルを身に付けるといい」

今年6月のイタリア、ジョージア両国とのテストマッチ3試合の結果は2勝1敗。

「キックをうまく使おうとしているが、もう少し素早いボール運びでキープし続けながら、空いたスペースにアタックしてほしいな」と廣瀬は後輩たちにエールを送る。

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