時給激安「パート主婦」はなぜ値切られるのか 結局「カフェラテ」を買う気にはなれない

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私を雇ってくれた会社は結局、業務の専門性とこちらの経験に理解を示してくれ、時給制から成果報酬制に変えてくれた。でも、私のケースは、翻訳・ライティングという仕事内容がわかりやすい分野で、外注した場合との値段との比較などもしやすいからできたことかもしれない。

主婦パートは「低く」みられる

前回記事では、経済的自立のない駐在妻・専業主婦の不安な状況について書いた。私は「海外×キャリア×ママサロン」という、海外で子育てをしながらキャリアも模索したい女性たちのコミュニティを運営していて、悩み共有や情報交換をしている。

これまで、ビザなどで働けない駐在妻や小さい子どもがいて、預けたくても預けられずに専業主婦をしている人は、仕事ができなくてモヤモヤしているのだと思っていた。実際そういうケースも多い。しかし、パートで働いている主婦に話を聞きはじめると、働けている人も十分、いやもしかしたら働いていない人以上にモヤモヤしているということがわかってきた。

多くのケースで、それなりの給料でそれなりのキャリアを築いていた方であっても、かなり水準を下げてパートしている。それまでのキャリアや経験とか、出している成果がまったく評価されず、パートであるというだけの理由で賃金が低く、格下にみられる。そのことに皆悶々としていた。

なぜそれでも、状況を変えられないのか。それは、ひとえに制約があるからだ。子どもが学校から帰ってくる時間内での仕事をしたいから。長期休みに対応してもらえるのはありがたいから。

家族のケアをメインで担う人が、残業ができないことによって責任の軽い仕事に動かされてしまう、いわゆるマミートラック現象は、日本の会社でも起こっている。私も拙著『「育休世代」のジレンマ』はじめ、さまざまな場所で指摘してきた。ただ、それは正社員の中の配置の話だ。

長い目で見たときに昇進や成長機会につながるか、という問題であったのに対して、パート主婦たちは働き先を見つける段階で、かつ目の前の問題として「時給」が立ちはだかる。

時給が低いだけではない。駐在妻でパートで働いている人に話を聞くと、選択肢が限られることから、まったく違う業界に飛び込み、新人さながらに四苦八苦している人も多い。中には若い人に「こんなことも知らないの?」と言われる、「サポート業務だけしてくれればいいよ」といった態度を取られる、などの経験に憤慨している人もいた。自分のそれまでの経歴が全く評価されない、あるいは経歴を生かした成果が出せていてもそれに見合った待遇を受けられないというわけだ。

それでも、やはりある程度、柔軟な勤務体系を認めてもらっているという遠慮や弱みがあり、通常は声をあげられずにいる。

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