「弱気相場」、世界の株は1兆ドル吹き飛んだ 2010年以来最悪の上半期だった
米国株の指標の1つであるS&P総合500種指数<.SPX>はプラス圏を維持。貿易摩擦がダウ平均株価<.DJI>を下落させてはいるものの、ナスダック総合指数<.NDX>は今月、最高値を更新した。
これに関連して、「FANG銘柄」と呼ばれるフェイスブック、アマゾン、アップル、ネットフリックス、グーグルも約40%上昇。フェイスブックが約5000万人分の利用者データを不正利用していたことが明らかになった3月に、これら企業の時価総額が総計で4000億ドル吹き飛んだにもかかわらず、だ。
今年、ネットフリックスの株価は2倍以上、アマゾン<AMZN.O>の株価は45%上昇。フェイスブック<FB.O>も完全に回復しており、株価は11%超上昇している。またこの数カ月、中国への圧力が高まっているにもかかわらず、同国の電子商取引大手アリババ<BABA.K>の株価は11%値上がりしている。
人民元は回避か
主要通貨の中では、ドルは対ユーロ<EUR=>で約3%、安全通貨とみなされる円<JPY=> <.DXY>に対しては2%近く上昇している。
新興市場にとって、ドル上昇は大きな痛手となっている。低迷するリラとペソに加え、ブラジルのレアルは14%、インドのルピーは7%、南アフリカのランドは10%下落。また、原油価格が上昇しているにもかかわらず、ロシアのルーブルも9%下げている。
2017年のスターだったMSCI新興国株指数は8%下落。現地通貨建てとドル建ての新興国債はそれぞれ6%、5%下げている。
だが、もっとも懸念を引き起こしているのは中国だ。