鉄道復旧へ法改正、補助金は本当に出るのか

黒字会社も恩恵受けるが、具体的基準見えず

台風によって路盤が流出する被害を受けた鉄道の線路(写真:彩恵 / PIXTA)

水害、風害、地震など、日本の鉄道は恒常的に自然災害の脅威にさらされている。JR北海道の日高本線や根室本線、JR東日本の山田線、只見線、JR九州の日田彦山線、豊肥本線など、自然災害により長期運休になっている路線は今も絶えない。過去には、水害からの復旧を果たせず2008年12月28日に廃止となった高千穂鉄道のように、大災害による運休から復活できず廃止になっていった路線も多く存在する。

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収支が厳しい路線でも、廃止になれば地域住民らの生活に大きな影響を及ぼすこともある。そのため、収支が厳しくても維持が必要な路線に対し、災害復旧のための費用を補助することも目的とする法律として「鉄道軌道整備法」が定められている。

2018年6月15日、この鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案が可決され成立した。

黒字会社の赤字線復旧にも補助が

従来は、黒字の鉄道事業者が運営する路線が激甚災害に見舞われ、復旧する必要がある場合でも、鉄道軌道整備法による補助は受けられなかった。鉄道事業者自体が黒字であれば、被災した路線が赤字で鉄道事業者だけでは復旧する動機づけが起きにくいような場合でも、国の補助を受けることができなかったのである。

今回の改正法ではその点が改められ、黒字の鉄道事業者が経営する路線に対しても一定の条件の下に国が補助をすることができるようになった。

鉄道軌道整備法は、「鉄道事業に対する特別の助成措置を講じて鉄道の整備を図ることにより、産業の発達及び民生の安定に寄与すること」を目的とする(第1条)。そして、第3条で「助成の対象とする鉄道」が定められ、災害からの復旧に関しては「洪水、地震その他の異常な天然現象により大規模の災害を受けた鉄道であって、すみやかに災害復旧事業を施行しその運輸を確保しなければ国民生活に著しい障害を生ずる虞(おそれ)のあるもの」を補助対象路線として挙げている(同第3条4項)。

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