線路立ち入り、刑罰「1万円未満」は軽すぎる?

新幹線は1年以下の懲役または罰金5万円以下

遅延の原因にもなりうる線路立ち入りに対しての刑罰は、現在でも「科料」にとどまる(写真:Hiroko/PIXTA)

昨年は線路立ち入りがニュースになることが多く、筆者にも関連した取材がいくつかあった。と思っていたら、今年に入ってからも北九州高速鉄道(北九州モノレール)の軌道に人が立ち入ったというニュースがあった。

線路立ち入りは、立入者自身の生命身体に対する危険は当然のこと、列車の運行が止められてしまうことによる鉄道事業者への影響、利用者への影響などにも波及することになり、重大な結果を招く行為である。重大な事象に発展する危険を内包しているという点で決して軽視されるべきものではない。

「科料」は「罰金」より軽い

改めて線路立ち入りのみに着目した場合、それに対して用意されている刑罰は鉄道営業法第37条による「科料」である。

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一般に刑罰というと、死刑を最高刑にして、無期懲役、有期懲役(懲役3年などと懲役刑の期間が定まっているもの)などが想起されるであろう。

誤解されがちであるが罰金も立派な刑罰である。懲役刑は自由を奪うために「自由刑」と呼ばれるが、罰金はお金を奪うために「財産刑」と呼ばれる。

さて「科料」である。あまり聞きなれない刑であると思う。「科料」は刑法第17条に定められており、1000円以上1万円未満の範囲で刑罰として科される。これも「財産刑」である。罰金は1万円以上とされているので(刑法第15条)、科料は財産刑のなかでも比較的軽い刑罰が用意される犯罪(侮辱罪(刑法第231条)、軽犯罪法違反など)に使われる。

刑罰からいうと線路立ち入りは軽微な犯罪ということになる。鉄道に対する重大犯罪である往来危険罪(刑法第125条)、汽車転覆等及び同致死罪(刑法第126条・致死罪では死刑もあり)の前提で行われることもあり、線路立ち入り自体を軽微にしていてもさほど問題はないということもあるのかもしれない。

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