日本を滅ぼす「GG資本主義」という病気 「低成長」「停滞」の根本理由はここにある

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セブン&アイの傘下でコンビニエンスストア事業を大きく伸ばしたセブン-イレブン・ジャパンの井阪隆一社長に対し、当時、会長だった鈴木敏文氏は、「感情的」としか言いようがない不満をぶつけて退任を迫ったものの、創業家の伊藤雅俊名誉会長の反対によって、井阪社長の続投を認めざるをえず、自らは会長職を退く形で決着をつけたという、あの一件です。

何よりも驚いたのが、当時81歳だった後藤顧問が、井阪社長の父親である井阪健一氏のところに行き、息子である井阪社長の続投を阻止しようとした話です。

このとき、井阪社長は58歳。間もなく還暦を迎えようとしている人に対して、81歳のおじいさんが、「父親から息子の社長続投を諦めるように言ってくれ」と進言したのですから、これを老害と言わずして、他の言い方があるでしょうか。もちろん、井阪社長の下、会社の業績が悪化しているならわからないでもないのですが、業績は順調に伸びていたのです。

セブン&アイのお家騒動に限らず、シニア層が組織を私物化しているケースは、他にも見られます。「危険タックル問題」で話題となった日本大学や、粉飾決算問題を起こした東芝も同じです。既得権を握ったまま、組織を私物化しているジジイたちがのさばっていることで、組織がどんどん悪い方向に進んでいるような気がしてなりません。

世界に通用する若手経営者が日本には大勢いる

今回、私はこのような日本の状況に警鐘を鳴らし新陳代謝を促すため、『さらば、GG資本主義』という本を書きました。GGの意味の一つは、もちろん「ジジイ」をもじったものです。もう一つの意味については後でお話しします。

誤解しないでいただきたいのは、すべてのシニア層を、ビジネスの最前線から追い出そうとしているわけではなく、年齢で切ろうとしているわけでもありません。シニア層の人たちが、これまで築き上げてくれた実績は、もちろんリスペクトしています。ただ、経営に関しては、そろそろ若手に権限委譲してはどうだろうか、という提案です。

「お年を召された方」にとって、今の若者は何となく頼りなく感じるのでしょうか。

私は投資家として日々、数多くの若手経営者に会っています。将棋の藤井聡太7段、野球の大谷翔平選手、フィギュアスケートの羽生結弦選手など、実力主義の世界では非常に良い意味で早熟な、世界レベルの若者が出てきています。それと同じように、あまり報道されていないだけで、世界で戦える若手起業家が、実は日本のビジネス界にも大勢いることに気づかされます。

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