日本株の行方は「ダウ理論」が教えてくれる

6日の米国「対中制裁関税」で相場は荒れる?

明確な転換シグナルとは、ファンダメンタルズで言えば「業績の変化」、テクニカルで言えば底入れシグナル。後者のテクニカル的底入れシグナルのポイントは2つある。①直近高値を抜いた後に押しを入れ(初押しは買いと言われるが、このタイミングではまだ買いとは言えない)、その後再びその高値を取って来た時のことを指す。②25日、75日などの移動平均を抜けた時が、代表的な基準だ。その時の形状は、はっきりしたN字型の時も有れば、「鍋底型」と呼ばれるだれの目にも「ああ、ようやく底を入れたな」と思えるような底入れ型もあり、ケースバイケースだ。上げがいつまで続くかは、この逆と考えれば良い。

前述の通り、6月の日経平均はゾーン内のモミ合いで、トレンドは出ていない。しかしダウ理論の「トレンド」を「現象」と置き換えると、全体相場にどう対処すべきかが見えて来る。現象はそれが明確な形が整った時から崩壊が始まるとの考えは、相場観に限らず、人の世の常だ。「モミ合い」という現象が整った日経平均を個別銘柄と同じに考えると、ファンダメンタルズ(米中貿易摩擦、欧州・新興国不安)ではまったくの不透明で、明確な転換シグナルは出ていない。

日本株上昇の確率は高く、余裕をもって”辛抱”を

しかし、日本企業の業績は好調で、前3月期決算発表時の今2018年度予想経常増益率は1ドル=100円―105円前提では1%でしかなかったが、直近発表の各シンクタンクの予想は、ドル円は105円―110円の前提だが、7%台から10%の経常増益を予想している。

その数字の一部は今月末からの第1四半期決算の数字に表れる。企業の稼ぐ力は強くなり、1-3月時点の利益剰余金総額は426兆円を越している。にもかかわらず、デフレマインドが解けないという理由で金融緩和が長期化し、場合によっては追加緩和もありうる状況だ。ドナルド・トランプ大統領の言動は予測不能だが、目的はただ一つ「中間選挙」だ。

もし株が暴落し、景気が後退してしまったら元も子もない。もちろん「事象」は明確なシグナルが出るまで継続するが、それには当然下に壊れる可能性も入る。しかし、企業業績が好調で、トランプ大統領の言動が中間選挙対策で、日銀ETF(上場投資信託)買いに支えられて200日移動平均のサポート力が強い現在、下方向に壊れる確率が上方向のそれより大きいとは思えない。

勝負は確率が重要だ。勝つ確率が51%なら勝つ方にかけるのが勝負のセオリーだ。長々と書いてしまったが、結論から言うと、「ダウ理論に従い、余裕を持ってこの相場を眺め、余裕を持って”辛抱”」ということになる。

今週は日銀短観(2日)に始まり、米国の雇用統計(6日)で終わる。そしてこの6日はいよいよ米中貿易戦争第1弾(対中国の制裁関税)が「発射」される日だ。投資家の体勢はすでに固まっているはずだ。ここは余裕を持って辛抱していよう。日経平均予想レンジは2万2000円―2万2800円とする。

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