「はあちゅう」と「伊藤春香」がひとつになった
仲:トレンダーズに入ってその意識は変わりましたか?
はあちゅう:そうですね。トレンダーズに転職して、ブログを会社の仕事として書くこともできるようになったし、採用や社内のイベントでも「はあちゅう」としての自分も存在を生かせるようになりました。つまり「はあちゅう」と「伊藤春香」が初めて一体化したのです。時間も以前に比べて生産的に使えるようになったし、ライフワークブレンドができるようになりました。
仲:じゃあ今は経沢牧場の中で、放し飼いにされているという感じなんだね(笑)。「はあちゅう」は在学中にブロガーとして一躍有名になったけど、そもそもどうして就職しようと思ったの? ブロガーとして食べていこうとか、自分で何か仕事を起こそうとは思わなかった?
はあちゅう:牧場……(笑)。それはなかったですね。正直、学生の頃ってほとんどおカネは儲けてなかったんです。「タダで世界一周する」という企画は実現したけど、友達や知り合いに、「はあちゅうのブログで宣伝してよ」と言われると断れなくて、無料でお仕事のようなことをたくさんしていたのです。ところがある出来事で気づかされて。
仲:え!? 何があったの?
はあちゅう:とある企画を広告会社にプレゼンしにいったら、いつの間にかそこの広告会社が同じ企画を知らないうちに、提案書の表紙だけ変えて300万円で売っていたのです。ショックでしたけど、そのとき自分がやっていることが、社会ではそれだけの金額になるということを知りました。それで自分はおカネに換算することが下手だと自覚したうえで、“ちゃんとした社会人経験”が必要だと思ったのですね。
日本社会では、大企業の新入社員ってしっかりした教育を受けさせてもらえるじゃないですか。そういった教育を受けたり、最低限のマナーを身に付けるという点で大きい会社に行こうと思いました。
仲:そこまで考えていたの? なんてしっかりした学生(笑)
はあちゅう:もうひとつ理由があって……。「はあちゅう」って圧倒的にネットで軽蔑を受ける、見下される存在だったから、それに対する反発心もあったのです。
仲:「はあちゅう」が見下される存在? どういうこと?
はあちゅう:当時、ブログでの活動が増えて、応援してくれる人もいましたけど、「はあちゅう」を敵だと思う人も結構いたんですよね。そういう人が言うことや書くことって目立つじゃないですか。それで、「どうせブロガーになるんでしょ?」とか「自分で仕事始めるんじゃないの」とか言われて、そういった声に対する反発心がありました。みんながイメージすることの真逆の方に行こうって。
仲:なるほど。やっぱり電通に行ったのはよかった?
無料会員登録はこちら
ログインはこちら