私が1時間のスピード転職を決めた、「一言」 「キレナビ」編集長 はあちゅうに聞く

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はあちゅう:転職なんてもともと全然するつもりはありませんでした。少なくとも10年くらいはコピーライターとして頑張りたいと思っていましたから。ところが、2011年の9月11日に、経沢さん(注:トレンダーズ株式会社代表取締役)とランチをする機会があって、「うちの会社に来ない?」ってお誘いをいただきました。そのとき、お会いするのが2回目だったので驚きましたが、1時間後には“転職モード”に変わっていました。翌日には電通に退職届を出しましたから、即決1時間のスピード転職でしたね。

たった一言の「問いかけ」とは?

:1時間のランチで即決!? 経沢さんの説得がやっぱりすごかったの?

はあちゅう:スゴイというよりもたった一言の問いかけでした。「はあちゅうは何でも夢がかなうとしたら、5年後、どんな生活を送っていたい?」って。それだけです。それで当時25歳で、30歳になったときのことを考えてみて、「結婚や出産もあるけれど、その前に1回海外で暮らして、本を書いてみたい」なんて漠然とした自分の思いを語りました。そうしたら、「それ、今の会社にそのままいて、実現できる?」って言われて、その瞬間はっとして、「……できない」って思ってしまったのです。

30歳になったら今よりもっと辞めにくくなるし、自分の夢や行動を会社の枠で考えてしまいそうになる気がしました。それで、もっと違う幸せもあるんじゃないか、それなら今と同じ状態で仕事を続けるよりは、まったく見えない世界に飛び込んだほうが、想像以上の世界が手に入るのではないかと思えてきて。それで、トレンダーズに行こうって決めました。

:経沢さんに聞かれるまでは、そういうこと全然考えたことなかった?

はあちゅう:なかったですね。ただ「はあちゅう」としての自分と、電通の「伊藤春香」という自分をうまく使い分けていくことは無理だなということを、うすうす感じていました。「はあちゅう」として執筆や講演活動をしていたのですが、「そういうことに一生懸命になっているから、仕事がおろそかになっているのじゃないか?」なんて思われていないか、いつも不安でした。誰もそんなこと言わないのですけどね。自分が気にしてしまう性格なので、休日にひとつブログをアップするのですら、すごくびくびくしていました。

:へえ、そういうこと気にしなさそうに見えますけどね。

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