「売春婦の元締め」が議員になる大変な時代 変わるトランプ時代の有権者
[パーランプ(米ネバダ州) 22日 ロイター] - 米国で最も有名な「ピンプ(売春婦の元締め)」を自認し、ストリップクラブのほか、売春宿を数軒経営するその男性は、保守的なキリスト教有権者から多くの支持を受け、11月の中間選挙でネバダ州議会に共和党議員として議席を獲得する見通しだ。
男性の名はデニス・ホフ。彼の政治的躍進は、「トランプ時代」において有権者の意識が根本的に変化し、共和党がかき回されただけでなく、米国政治がひっくり返されたことを示している。
「人々は正直な人間を当選させようとしている」
「これがまさにトランプ運動だ」──。ネバダ州北部のカーソンシティ近郊にある、自身が経営する売春宿「ムーンライト・バニーランチ」でロイターのインタビューに応じたホフ氏は語った。この宿は、ケーブルテレビのリアリティ番組に登場したこともある。
「人々は、自身の倫理観や宗教信条をとりあえず脇に置き、正直な人間を当選させようとしている」と語る71歳のホフ氏。「トランプ大統領がその草分けだ。彼は、正直政治におけるコロンブスだ」
今月12日、州議会下院選に向けた共和党候補を指名する予備選で、ホフ氏が勝ったとのニュースを聞いた時、キリスト教福音主義のビクトル・フェンテス牧師は、目を閉じて祈ったと話す。
3度の離婚暦と「ピンプの美学」という著書があり、「パーランプのトランプ」として選挙戦を戦っているホフ氏からネバダ州を守るよう、フェンテス牧師が神に祈ったわけではない。