「志望校合格」へ導いた家族会議のスゴい中身 そのとき父親にスイッチが入った

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将来はロボット開発の仕事がしたい、という夢を持つ諒珂くん。その準備の1つとして美樹さんが中学受験を薦めた時、幼い頃から学ぶことが好きだった本人も乗り気になった。当然、美樹さんは義一さんにも相談し、「私学で学ぶのは本人に合っているかもね」と賛同を得ていた。ここまではスムーズだった。

志望校選び。最初は「男子校より共学だよねー!」と盛り上がっていた2人だったが…(写真:田中家提供)

実際、4年生の1年間は、ほかの習い事と同じように美樹さんが塾への送り迎えをして、諒珂くんも勉強を無理のない範囲で楽しむ、という順調な受験生活が始まったのだ。

ところが、5年生に差し掛かり、諒珂くんの、いや家族の様子が変わっていった。

志望校決めの会議で夫婦の意見が決裂

それまで成績は中の上をキープしていた諒珂くん。だが、5年生に入った頃、これまでの勉強の甲斐があってぐんぐん成績が上がってきた。それ自体は喜ばしいことだが、そうなると塾も志望校のレベルをあげることを薦めてくる。

「家から近いし共学だし、自由そうでいいんじゃない?」と安易に考えていた学校選びをもう一度やり直す必要があった。塾が言うように地域トップレベルの学校を目指すべきなのか、だとしたら候補は? 受験に関して1回目に開いた本格的な会議で、夫婦の意見は真っ向対立した。

まだ時間もあるし、もし可能性があるなら、男子校も視野に入れ、成績にあった志望校を決めてもいいのでは?という美樹さんの提案に対し、義一さんは一言。「男子校はやめたほうがいい」。

「確かに、通える距離のトップ校を考えると候補に挙がるのは男子校ばかり。でも、それだけでダメだと決めるのはどうなの? と私は思っていたのですが、夫は入学したはいいけれど女子もいないで健全な学校生活を楽しめないじゃないか、と聞かなくて」(美樹さん)

夫婦でもめているのを横目に、当の本人諒珂くんは、「まあ、女子がいないとダメってわけじゃないし、いてもいなくても大丈夫かなって(笑)」と冷静。志望校候補の文化祭などに足を運び、雰囲気がいちばんよかった学校を見つけ、「ここに通っている自分の姿がなんか想像できた」と、素敵な理由で、さっさと志望校を決めてしまった。

「息子の選択は直感的でしたが、雰囲気もいい学校だったので、ひとまずそこで志望校は落ち着いて。でもその後も勉強は厳しくなるのに、夫はほとんどノータッチ。なんだか私と息子だけで受験勉強を戦っている気分になっていきました」(美樹さん)

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