焦点の「OPEC総会」開催、原油価格はこう動く 協調減産の緩和なるか、識者2人に聞く
2017年後半から上昇を続けてきた原油価格(WTI原油先物)。5月21日には1バレル=72.59ドルをつけたが、現在は1バレル=65ドル前後を推移している。今後の原油価格はどうなるのか。
カギを握るイベントが6月22、23日にオーストリア・ウィーンで開催される。石油輸出機構(OPEC)の総会と、非加盟の主要産油国も参加して行われる閣僚級会合だ。最大の焦点は、原油生産量を減らす協調減産が緩和されるかどうか。協調減産は2017年1月から始まり、価格上昇の要因となっていた。
ただ、最大の産油国であるサウジアラビアが協調減産の緩和を主張する一方で、イランやベネズエラが反対するなど、加盟国の足並みはそろっていない。OPEC総会の「読み方」について、2人の識者に話を聞いた。
原油安を容認できないサウジアラビア
みずほ証券投資情報部シニアコモディティアナリストの津賀田真紀子氏
――OPEC総会と閣僚級会合で議論される内容は。
OPEC総会とその後行われるOPECと非OPEC主要産油国との閣僚会合で、協調減産を今後段階的に緩和するかどうかを議論するとみられている。総会は年2回行われるが、今回はいつも以上に市場関係者の関心が高い。原油価格を抑える1番の要因となっているのは米国のシェールオイルだが、協調減産の緩和に至らなければ、米国の増産を各国は指をくわえてみるほかない。
――実際に協調減産の緩和は実現するのでしょうか。
ポイントとなるのは、サウジアラビアとベネズエラだ。OPECの2018年5月の生産量と2016年12月の生産量を比較すると、減産量は日量172万8000バレル。これは2016年11月末の総会で設定した目標・日量120万バレルを52万8000バレルも上回っている。サウジアラビアが大幅な減産を行っていることや、ベネズエラが経済混乱の影響で生産量を落としていることが主な要因だ。
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