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夏のボーナスでダメ投信や保険は絶対買うな いまや金融マンは腹ぺこで危険なオオカミだ

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長期金利の低下は、当初はもともと持っていた債券の値上がり益によって収益に貢献してきたはずだが、そろそろこうした含み益が尽きる。そして、確実に利回りが期待できる投資対象がない。日経新聞の記事では、ある中堅生命保険会社が「外債に目を向けざるをえない」とコメントしているが、銀行も運用でリスクを取らざるをえない状況だ。

筆者は、かつて外資系の証券会社に勤めたことがあるが、こうした「収益が上がらず、決算が作れない」状況の金融法人は、リスクを取る、従って証券会社にとって利幅の大きな運用商品に手を出してくれやすい「上客(カモ!)」であった。じわじわと進む、カードローンや貸家向けローンの不良化以前に、個別行ベースでは、有価証券運用の失敗が心配だ。

悪い時に金融庁の長官が交代する

さて、「細かな悪いこと」は、案外重なるものだ。現在長官3期目の森信親金融庁長官の交代が確実視されている(7月)。

森長官は、金融機関に「フィデューシャリー・デューティー」(「顧客本位の業務運営」と訳されている)を求めるなど、金融行政の重点を、業界の保護・育成から、顧客の利益の方向に移す画期的な政策を進めて来た。投資信託や、外貨建ての貯蓄性保険のような、金融機関は売りたがっているが、顧客のためにならない商品を直接批判するような異例の長官であった。

この森長官の交代後には、これまで我慢していた金融業界が、大きく巻き返しに出るのではないかという観測がある。つまり、手数料稼ぎのしやすい商品の販売を積極化するということだ。

法人向けの融資は利ザヤの縮小に加えて、そもそも優良な資金需要が乏しく、利幅が大きかった個人向けのビジネスもカードローンや貸家向けローンに限界が見えて来て、加えて、有価証券運用も儲からないとなると、銀行が力を入れるのは、投資信託や貯蓄性保険など手数料稼ぎ用の商品販売を積極化することだろう。

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【「投資信託」は「生身の人間」から買うな】

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