あの新宿アルタに登場した「中高年店」の勝算 40代以上向けのアパレル専門店がオープン

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かつては「笑っていいとも!」の収録場所として高い知名度を誇った新宿アルタだが、番組終了後は若者の間でのイメージも薄れつつある(記者撮影)

出店を希望するブランドが数多くある中、ドゥクラッセがテナントに選ばれた裏には、新宿アルタ側の戦略もある。

アルタの運営会社の親会社である三越伊勢丹ホールディングスは、「新宿アルタは、トレンドへの関心が高い幅広い世代にターゲットを拡大するため、夏ごろまで(テナント入れ替えなどの)再構築を進めていく」と説明する。

歌舞伎町に近い新宿駅東口は、オフィスが集積する西口と異なり、若者が集うエリアとして知られる。だが最近は、アルタの並びに高級ブランドのグッチが新旗艦店をオープンしたほか、新宿マルイ本館の1階にアップルストアが入るなど、訪日客や中高年を含めた顧客への訴求を狙った店舗の出店が目立つ。

新宿アルタは顧客層拡大が急務

背景には訪日客の増加だけでなく、衣服のネット通販やリユースが勢いを増し、低価格志向も強まる中、若者にターゲットを絞った店舗では集客や売り上げの確保が難しいという事情もある。

創業者の林恵子社長は「22歳の時から起業をしたいと思っていた。会社設立から11年が経ち、今が勝負時だと感じた」と語る(記者撮影)

また、新宿アルタは「笑っていいとも!」の収録スタジオが入居するビルとして幅広い世代に高い知名度を誇ったが、2014年の番組終了以降、若者の間では「アルタ」のイメージ自体も薄れつつある。集客を増やしてテナントの収益を上げていくには、新宿アルタ全体での顧客層拡大やイメージ転換が急務だった。

ドゥクラッセ新宿アルタ店では、単品販売が主軸のカタログ通販とは発想を変え、スタイリング提案の強化やカフェコーナーの併設など、再び来店してもらえるような店舗づくりに力を入れた。林社長は「中高年世代の方たちに『2度目の青春、アルタで出発』というコンセプトをはやらせて、数年かけていいお店にしたい」と意気込む。中高年を呼び込むドゥクラッセの出店は、新宿アルタに新たな息吹をもたらすことができるだろうか。

真城 愛弓 東洋経済 記者

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まき あゆみ / Ayumi Maki

東京都出身。通信社を経て2016年東洋経済新報社入社。建設、不動産、アパレル・専門店などの業界取材を経験。2021年4月よりニュース記事などの編集を担当。

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