あの新宿アルタに登場した「中高年店」の勝算 40代以上向けのアパレル専門店がオープン

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商品の多くは、二の腕や腰回りをすっきりと見せるなど、体のラインをカバーするシルエットが特徴だ。こうしたシルエットを実現するため、商品開発では生地の裁断・縫製の研究に重点を置いている。

数多くの競合が出現する中、海外工場との直接取引や配送センターの内製化でコスト削減を徹底し、3000~5000円台のトップスやパンツなど手頃な価格帯の商品を展開。カタログ会員約250万人にとどまらず、大丸梅田店や日比谷シャンテをはじめとする実店舗でも固定客を獲得し、ドゥクラッセとフィットフィットを合わせたグループ売上高(2017年7月期)は、210億円(前期比35%増)に拡大した。

ずっと新宿で探していた

ただ、このほど出店した新宿アルタの顧客層は20歳前後のヤング世代。他フロアのテナント構成を見ても、若者向けのアパレルショップや雑貨店が目立つ。40代以上を主要顧客とするブランドが、東京で勝負する土俵に新宿アルタを選んだのはなぜなのか。

店内には季節に合わせたデザイン性の高い商品が並ぶ。百貨店ブランドなどと比べ価格帯も手頃だ(記者撮影)

ドゥクラッセは以前から、新宿エリアにターゲットを絞って大型路面店の出店先を探していた。理由の1つは、JR、私鉄、地下鉄と多数の路線が乗り入れる新宿駅の、世界でもトップクラスとされる乗降客の多さにポテンシャルを感じていたこと。さらに「私たちが大学生の頃、高層ビルが建ち始めていた新宿はおしゃれな街というイメージで、(中高年世代には)その残像があると思った」(林社長)からだ。

新宿で空き店舗を探す過程で、ちょうど新宿アルタがテナントの募集を始め、すぐに飛びついた。待ち合わせスポットとして人が集まる立地でブランドの宣伝効果が期待できるうえ、娘や息子と一緒に訪れてもらえるような、間口の広い店舗づくりができると考えたという。

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