キッコーマンが米国に根付かせた「日本の味」 和食ブームを「当てにしない」成長戦略の中身

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現在、北米でのしょうゆ販売の伸びを牽引するのは減塩タイプの製品だ。減塩しょうゆは販売構成比では2割程度しかないものの、2ケタ成長が続いているという。

米国ではFDA(米国食品医薬品局)が高血圧予防として、食品メーカーや飲食店に対して塩分の含有量を抑えるように推奨している。ウォルマートなど大手スーパーの棚には減塩しょうゆも通常品と同程度の本数が並んでいる場合が多く、存在感を放っている。

南米やインドでの販社設立を目指す

さらに、この減塩志向を機に拡大を狙うのが、メーカー向けの「加工用しょうゆ」だ。バーベキューソースなどを製造するメーカーに原料として供給するのがメインだが、ここ数年は、塩の代わりに粉末状にしたしょうゆを使用してもらう提案に力を入れている。

実際、現地では塩が多く使われるピザ生地やパン生地などに粉末しょうゆを使用されるケースもある。会社側によれば「塩味は落とさずに、しょうゆの風味や色を取り除くことも技術的には可能だ」という。

減塩ブームにも対応し成長を目指すキッコーマン。茂木名誉会長は「5年以内に南米、インドにも販売会社を設立するのが目標。世界で残ったところを埋め尽くしたい」と野望を語る。米国での成長を継続しながら、世界中にしょうゆという文化を広げることができるか。

石阪 友貴 東洋経済 記者

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いしざか ともき / Tomoki Ishizaka

早稲田大学政治経済学部卒。2017年に東洋経済新報社入社。食品・飲料業界を担当しジャパニーズウイスキー、加熱式たばこなどを取材。2019年から製薬業界をカバーし「コロナ医療」「製薬大リストラ」「医療テックベンチャー」などの特集を担当。現在は半導体業界を取材中。バイクとボートレース 、深夜ラジオが好き。

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