そして、それと同時により多くのことわざに触れられる環境を整えることも大事です。たとえば、ことわざつきの日めくりが効果的です。これをトイレに置けば自然に目に入るようになります。しかも、日めくりですから毎日新しいことわざに出会うことができます。私も子どものころ日めくりでかなりのことわざを覚えました。
ことわざの学習マンガもお薦めです。マンガのいいところは、ハードルが低くて入りやすいことです。楽しみながら読んでいるうちに自然にことわざを覚えることができます。また、今の子どもたちはビジュアル重視なので、ことわざの絵本もいいでしょう。もちろん買ってあげるのが一番ですが、図書館で借りればたくさん読むことができます。また、最近は、スマホのアプリでもことわざを扱ったものがありますので、親子で楽しむのもいいですね。
ことわざカルタもお薦めです。最近は、楽しいイラストつきで良質なものがたくさん市販されています。もちろん、手作りすることもできます。私は教師だったころ、1年生でも6年生でも、国語の時間などに手作りことわざカルタをやりました。作り方は簡単で、読み札に「失敗は」と書き、取り札に「成功の元」と書くだけです。そして、読み手が「失敗は~」と読んだら「成功の元」という札を取ります。
新しいことわざを作るのも楽しい
さらに次の段階として、新しいことわざを作るのもまた楽しいことです。つまり、創作ことわざです。まずみなさん自身がことわざを作ってみてください。生活や仕事の中で感じたことや、いつも思っていることをことわざにするのです。できたら、一ひねりして表現の面白さも出るといいですが、難しい場合はストレートな言い回しでもいいと思います。なかなか作れない場合は、すでにあることわざをもとにして、それを少し変える形で作ってみてください。
私が作ったことわざをいくつか紹介します。「物をなくすと時間もなくす」「馬鹿とけんかすると馬鹿をみる」「許す人は許される。責める人は責められる」「他人からの悪評も好評もただの誤解」「呼吸が浅いと命が浅くなる」「きつい服は気持ちもきつくする」「子どもをリスペクトする親は子どもからリスペクトされる。上司と部下も同様」「自分から出たものは自分に返る」「悪口は嫉妬」「余裕があれば許せる」「完璧主義は時間泥棒」「マイナス思考でよかったなあと思うのがプラス思考の始まり」。
そして、自分で作ったことわざを家族や子どもにも披露してみるといいでしょう。これで子どもが興味を持って、自分も作ってみたいと乗ってくればしめたものです。私もこの創作ことわざを授業でやったことがありますが、子どもの個性や価値観が反映されて面白かったです。とくにある男の子が作った創作ことわざが印象的でした。それは、「妹を泣かすとおかずが減る」「妹に勝つより自分に勝て」「母の威を借る妹」「妹と犬はいるとうるさい。いないとさみしい」などです。日頃から妹とバトルを繰り返している様子が目に浮かびました。
ということで、ことわざの面白さとその価値を再認識していただいて、みなさん自身のためにも、そして子どもたちのためにも役立ててほしいと思います。
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