名古屋で鍛えた地下アイドルが東京で見る夢 メイド志望だった少女は闇を吹っ切り生きる

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天職に思われたメイド喫茶でのアルバイトですが、3年ほど働いた頃、店が突然なくなってしまいました。

「最後は給料が未払いのまま逃げられちゃいました。週4くらい働いてたのでそこそこ痛かったですけど、掛け持ちOKのお店だったので、最後の1年はほかのメイド喫茶でも働いてたからよかったです」

メイド喫茶のお客さんから引き抜かれて働き始めたというメイド喫茶は、カウンターとテーブル合わせて17席くらいのお店でした。そのお客さんがオーナーをしていて、メイドさんは20人くらい在籍しています。

最後は給料が未払いのまま逃げられちゃいました(写真:川本史織)

前のお店が閉店した後、兎乃さんはこのお店でメイドをしながら、店長としても働き始めます。

メイド喫茶の指名システム?

「お店のツイッターアカウントを更新して、イベントを考えて、ポップ作って……もちろんシフトも調整してました。女の子の調整? 大変ですよ……。あの子がいるならシフト入りたくないとか、そういうのがたくさんあって、しかもうちのお店、指名本数によって女の子のランキングがあったからけんかになるんです」

メイド喫茶で指名?と不思議に思いましたが、兎乃さんが働いていたお店は系列にリフレの店舗があって、メイド喫茶に一度来たお客さんはリフレにも行けるシステムになっていました。ランキングにはメイド喫茶で撮影したチェキの枚数と、リフレでの指名が反映されるそうです。

「オープニングメンバーは仲良いんだけど、新しく入った子の売り上げがいいと、長く働いてる子が病んじゃったりして、オーナーに何回もランキングやめようよって言ったんですけど……。店長でも普通に順位つけられるし」

兎乃ちゃんは何位だったの?と聞くと、ずっと1位でしたと頼もしい返事がありました。病みました病みましたー、とサバサバした口調で付け足します。

「でもみんなみたいに死にたいとかはなかったかな。チェキが少ないと、今月ヤバいなーくらい。女の子がけんかするっていっても、ランキングとかある割にはみんな仲良くやってたと思います」

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