あなたが知らない「北朝鮮に暮らす人」の素顔

訪ね続けたNGO職員と映画監督が語る

(写真:GARDEN Journalism)

JVC宮西有紀さん:絵画の交換、絵画展の始まりが2001年で、丸17年やっています。情勢が厳しいときもありましたが、17年間ずっと日本と北朝鮮のパイプをつないできました。一度も途切れたことはありません。絵画交流は、平壌市内の2校の小学校、ルンラ小学校とチャンギョン小学校からご協力をいただいています。北朝鮮の子どもたちの絵を日本で展示した際に、絵を描いた子どもに対して日本の子どもたちが手紙を書きます。また、日本の子どもたちが描いた絵に対しても、絵を見てぜひ手紙を書きたいなという子に、北朝鮮の子どもたちが一生懸命にメッセージを書いてくれていました。

大学生同士の交流

もう一つコリア事業の大きな柱となっているのが、2012年から開始した大学生同士の交流です。実は、平壌には日本語を学んでいる学生がいます。

日本で開催した「南北コリアと日本のともだち展」 ©︎日本国際ボランティアセンター

平壌外国語大学民族語学部日本語学科への日本語教材支援をきっかけに大学生の交流の試みが始まりました。きっかけは、やはり毎年ずっと子どもの絵画展の交流があったので、その交流時にたまたま日本の大学生が同行して平壌外国語大学に訪問した際に交流を提案したことです。2012年の最初の交流時は平壌外国語大学の教室でお互いに自己紹介をして、少し話をしました。初回はたった2時間足らずの交流でした。

日本の子どもたちが描いた絵を見る北朝鮮の子どもたち©︎日本国際ボランティアセンター

ところが、翌年の2013年には平壌市内を一緒に回りながら交流するようになりました。平壌市内の観光をしながら、平壌外国語大学日本語学科の学生がガイドさんの話を日本人学生に通訳して、学生同士も直接話す機会がありました。私たち事務局は学生同士が自由に話して交流している間は、後ろからそっと見守っています。交流が3年目に入ると、一緒に山に登ってピクニックをして、外でワークショップをするという形にまで発展しました。一緒に過ごす時間が徐々に増えていって、交流の形がどんどん変わっていきました。

日本の子どもたちに手紙を書く北朝鮮の子どもたち©︎日本国際ボランティアセンター

昨年の活動についても少しお話しさせていただきます。去年8月のことを覚えていらっしゃいますか? ちょうど北朝鮮がグアム沖でミサイル攻撃をする計画があるとの報道が出て、具体的にミサイルが広島や徳島上空を通過するという具体的な話があり、避難訓練も始めたという時期(2017年8月)に訪朝してきました。実は、訪朝する際に事務局内で行くかどうかをかなり議論しました。ただ、「相手の顔が見えないことは不安を煽る、そして、不安だからこそ相手が怖い」。これは悪循環です。やはり情勢が悪い時だからこそ、往来ができる限り行って直接会おうと、次につなげるために私たちは訪朝してきました。顔が見える関係で、直接会って話をすることが大事。ただ、日本の大学生が訪朝して大学生同士の交流をすることはできませんでした。私たち事務局の大人だけの訪朝団となりましたが、私たちが学生の代わりに平壌外国語大学日本語学科の学生に会ってきました。

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