65歳定年男性が陥った株式投資の危ない心理 5000万円の資産がわずか10分の1に激減

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N男さんは、その事実を知ったときには愕然としましたが、このままお父さんを放置していたら残りの500万円も失ってしまうと思いました。誰に相談しようかと悩み、いろいろ調べ、投資などにも詳しいファイナンシャル・プランナーを探していたところ、筆者に辿りついてくれたわけです。

筆者への要望は、「父には今のままでこれ以上、投資をさせる気はありません。そもそも信用取引のことだってよくわかっていないはずです。専門家の視点から、株式投資で成功するためには一体どんな勉強や投資方法が必要なのか、そもそもの投資の基本をレクチャーしてくれませんか」ということでした。お父さんのやり方では「到底成功できない」ということをわかってもらいたい、というわけです。

資産を守りながら、おカネを増やす戦略が有効

後日、筆者のところにN男さんとお父さんがやってきました。びっくりしたのは、お父さんが開口一番「どの株が儲かりますか?」とおっしゃったことです。聞きませんでしたが、おそらくN男さんは「儲かる銘柄を教えてくれる人がいるから」などの理由でうまく誘いだしたのでしょう。

雑談をしながら打ち解けたところで、筆者は僭越ながらお父さんに株式投資で大成功するのはプロでも難しいこと、その理由、そもそもの資産運用の考え方などをレクチャーしました。

資産を守りつつ、おカネを増やすには「コアサテライト戦略」で資産形成を行うのが良いと考えています。この戦略は、機関投資家なども実践していて、資産形成のコアとなる部分は安定成長・長期運用で行い、サテライト部分で積極的に利益を狙った運用を行うというものです。

筆者は外資系の生命保険会社の資産運用部門で働いていたのですが、当時は「外資系」と言っても、総資産の多くは日本国債を中心とした債券で安定運用・長期運用を行い、残り(最大3割程度)を株式、外国債券(主に米国債)、ハイイールド債券といった高リスク資産に振り向け、それなりの利益を狙った運用を行っていました。

こうしたコアサテライト戦略は個人の資産運用でも有効です。個人の場合、メインであるコア資産の例は定期預金、インデックス型の投資信託、iDeCo(個人型確定拠出年金)、企業型確定拠出年金、つみたてNISA、純金積み立てなどがあります。サブとなるサテライト資産は、株式投資、アクティブファンド、FXなどです。コア資産は7〜9割、サテライト資産は1〜3割が目安です。

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