65歳定年男性が陥った株式投資の危ない心理 5000万円の資産がわずか10分の1に激減
コアサテライト戦略のルールは、もし「サテライト資産の一つが大きく損をしても、コア資産を削って継ぎ足さないこと」です。損をしたからといって、安易に継ぎ足していると、さらに損失が広がる可能性がありますし、コア資産が無くなっては、安定的な資産形成が困難だからです。コアの部分で資産を着実に築いているからこそ、積極的に攻めることができるのです。
話をしている最中、ところどころでお父さんから反発は見られたものの、最後には「そりゃあ、負けるわけだね…。」とポツリ。500万円はN男さんが管理することになりました。
後日、N男さんから連絡があり、「父も身にしみたみたいで、とても落ち込んでいました。ただ、熱意を注いできた株ができなくなってかなり塞ぎ込んでいたので、かわいそうになりまして。『50万円だけ好きに使っていいよ』といって渡しました。少額で投資できる銘柄を複数買って、楽しんでいるようです」とのことでした。
金額の多寡はともかく、今回のケースのように、「一発逆転を狙って全財産を投資につぎ込み、失敗を重ねる」という人は意外に多いのです。もちろん投資の勉強ばかりでいつまでも行動しないのは問題ですが、「まずは試しに」というときには、少額から始め、そのおカネが万が一なくなっても困らない程度で始めることが大切です。
改めて今回のケースを通して、投資経験がない人がいきなり多額の資金を投資につぎ込んでしまうことのリスクの高さ、そして、「損を取り返してやる!」という感情に支配されてしまうと、冷静に物事を判断できない怖さを感じました。
人間はどんなに意志が強くても感情に左右される生き物なので、今回のN男さんのお父さんのようになる危険は誰にでも潜んでいます。投資をするときには、心の余裕、資金の余裕、積み重ねた経験値が大切です。
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