原宿ロールアイス、話題と行列が続く仕掛け あのハリウッド女優もインスタに投稿

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ブランディングや宣伝も、専門家だけに力を入れている。くまのイラストのロゴが特徴的なのだが、長崎県に在住する、病気で療養中のイラストレーターになるものだそうだ。クラウドソーシングを使ってデザインを募集し、「これだ」と一目で気に入ったという。確かにポップなかわいらしさとともに、どこかなごませてくれる雰囲気が、同店の個性にぴったりだ。ロゴのシールをはがしてスマホに貼っている女子学生もいるそうだ。

近々、若い女性向けのアパレルブランドとのコラボレーションが予定されており、ロゴとロールアイスのイラストをデザインしたTシャツが販売される。

そのほか、食品会社やゲーム会社など、さまざまな業界からタイアップやコラボの依頼が寄せられているという。

「事業を通じ社会貢献をしていきたいという思いがあり、修学旅行の企業訪問を受け入れています。また、夏休みには小学生の1日店長体験もできたらいいなと考えています」(浅野氏)

メニューにはおすすめの組み合わせが並ぶ(編集部撮影)

今後はさらに直営店に加え、フランチャイズなどで支店を増やしていきたいというが、「ハレのスイーツであり、全国で日常的に売れるものではない」(浅野氏)とも考えており、主要都市に10店舗ほどを目指しているそうだ。また中国などの海外展開も進めている。

日本では、飲食、なかでもスイーツの流行はあっという間に低迷するが、そのことも視野に入れているそうだ。

「市販されているものを含め、アイスクリームの消費は伸びており、高価格のものなど市場も広がっています。そのなかで、ロールアイスというジャンルが確立され、生き残れればと考えています」(浅野氏)

「丁寧に作ったスイーツを届けたい」

ロールアイスというジャンルができるためには、やはり数の競争も必要だろう。その意味では、同業他社が増えることも歓迎だそうだ。現に、追随の店舗が東京都内にもいくつか現れている。

同店の神髄となっているのが、浅野氏やスタッフの「スイーツが好きな人に、丁寧に作ったスイーツを届けたい」という気持ちではないだろうか。海外を含め、今後広く展開していくうえで、ポリシーをどう維持していくかがキモになりそうだ。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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