24歳男性が42歳女性に強烈に惹かれた理由 「18歳の年の差婚」夫婦の"補完し合う"関係

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父親は悪い人ではないが、完全に母親の言いなりだ。頼ることはできない。綾乃さんは結婚願望を高めつつ、「子どもは要らない。私には子育ては無理」という気持ちを固めていた。

「親ですら助けてくれないのに、周りの人が助けてくれるはずはないと思ってしまいます。子どもがいると自分の手足がもがれる想像しかできません」

不思議な色気がある男女には、綾乃さんのように毒親に長く苦しんだ経験がある人が少なくないと思う。干渉を拒絶して自立と自由を追求する一方で、親密な人間関係への欠乏感のようなものがにじみ出る。その矛盾とアンバランスが魅力を形成するのだろう。

だからこそ、綾乃さんには恋人が途切れなかった。しかし、相手は「結婚する気がない」もしくは「結婚したら子どもが欲しい」人ばかり。結婚に至る縁には恵まれなかった。

「会社つながり」の婚活パーティー

結婚のきっかけとなった婚活パーティーに出席したのは2015年のことだった。グループ各社の労働組合が共同で主催した大規模なパーティーで、参加者は300人以上。綾乃さんは40歳になっており、出会いの場には前のめりで参加していた。

「でも、男性は20代30代ばかり。管理職になると労働組合からは外れてしまうからです。女性の年齢にはバラつきがあり、私のようなアラフォーもいました」

余談になるが、労働組合などが主催してくれる「会社つながり」の婚活パーティーは、会社や仕事が好きな独身者にはお勧めだ。出会う人は他人でありながらも身元がお互いに知れており、職歴や価値観が比較的似ているため、恋愛から結婚へと話を進めやすい。

筆者は以前、大手自動車部品メーカーの労働組合が主催する婚活パーティー参加者に取材をしたことがある。単独で数万人も従業員がいる会社なので、工場などの拠点が異なると社員同士が知り合う機会は少ない。地域では超優良企業として知られるため、「社内結婚」へのニーズは特に女性社員に高く、社内婚活パーティーは抽選をしなければならないほどの大人気だった。

労働組合は仲間意識を前提としているためか、普通の婚活パーティーではやりにくい「遊び」も平気で実施する。綾乃さんが参加した大規模なパーティーでは、男性参加者がカギを持ち、好みの女性が持っている南京錠を開けさせてもらって喜ぶ、というユニークな遊びがあった。

「私のところにやって来たのが今の夫です。顔が小さくて背が高く、王子様みたいな外見だと思いました。私の南京錠は彼のカギでは開かなかったんです。そうしたら、彼はすぐに友達の参加者からカギを10個も借りて来て、なんとしても私の南京錠を開けようとして……」

雄介さん(仮名、24歳)はかわいげのある男性なのだ。明らかに年上の綾乃さんにすっかり懐いてしまい、その場から離れようとはしなかった。

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