「医療×ブロックチェーン」の絶大なメリット 「医療IT革命」から始まる患者ファースト主義
ブロックチェーンの応用は、すでに海外を中心に広がっている。
対改ざん性が高いため、新薬を治験する際のデータの改ざん防止や、にせ薬のサプライチェーン混入の防止、医療機器から出るデータの認証、遺伝子データをはじめ複雑な権利の絡む情報の管理などが普及している。
今後活発になると予想される遠隔医療(オンライン医療)でも、役立つ場面が出てくるだろう。遠隔地の医師に自分の情報にアクセスしてもらえば、いちいち自分の症状や病歴を最初から説明する手間が省ける。
電子カルテを国全体で共有
ソ連時代からITを得意としていたエストニアでは、政府全体をIT管理する仕組みとしてブロックチェーンが用いられている。エストニア政府によると、電子政府のおかげで804年分の待ち時間の短縮を実現したという。
医療については、電子カルテの利用や処方せんの受け付け、保険請求などがネットで行われている。自分の情報に対するアクセス記録は、すべてポータルサイトから確認できる。これは医療情報以外も同じである。自動車運転免許更新時にカルテの認知症情報を参照する試みも始まっている。
エストニアが電子政府を成功させた背景には、ブロックチェーン技術による透明性が挙げられよう。エストニアは、プライベート型のブロックチェーン技術を応用して電子カルテを国全体で共有し、どこの病院に行っても自分の病歴を見られるようにした。
誰がいつ、どのような目的でどの情報にアクセスしたのかがわかれば、安心して情報を預けられる。日本のマイナンバー制度のように、複雑で不十分な管理によってコストばかりが増えているシステムとは大違いである。
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