ロボット兵器の超進化がもたらす恐怖の未来 2025年に人間の知能を超える日がやってくる
IoT(モノのインターネット)が生成するデータを処理する過程で、コンピュータは知識を指数関数的に蓄積する。アルゴリズムはいま、知覚した生(なま)のデータから学び、言語を理解し、画像を認識するように設計されている。
つまりコンピュータはみずから収集した知識をもとに、より多くのスキルを学び、微妙なニュアンスを理解し、最終的には私たちが常識と呼ぶものまでも獲得する。さらに進化すると、AIはみずからを改良する能力を手に入れ、人間の手を借りずにさらに優秀なAIをつくり出すということが起きてしまう。
そのインパクトをグーグルが見逃すはずもない。グーグルは、イギリスのAIのスタートアップであるディープマインド社を4億ドルで買収したという。フェイスブックとアマゾンも、この分野には多額の投資を行っている。そのような動向は、危険な兆候であり好機でもある。進化したAIと自動化は、未熟練労働者の仕事も管理職の仕事も奪う。その反面、個人にもっとコントロール力を与えてくれ、健康や安全、プライバシーをよりよく管理できるようになる。
「AIは人間の代わりにはならない」と考える者もいる。むしろ、「コンピュータは人間の能力を高め、私たちの生活をもっと効率的にしてくれる」というのだ。もちろん、コンピュータの性能が上がれば、企業の生産性も上がる。
だが、そのせいで人的資本を犠牲にすることは間違いない。創造主である人間の能力をAIがすぐにしのぐ可能性は低いにしろ、伝統的な専門職の単純な事務作業を奪い取ってしまうことは確かだ。コンピュータは長い間、複雑なデータの分析を人間よりも得意としてきた。身をもって学んだ、スーパーマーケットの店員や工場労働者も多いはずだ。
今日、コンピュータは手書きのメモを読み、報告書を書いて翻訳し、会話にも答える。初期費用こそ高くつくものの、疲れたとか仕事に飽きたなどと不平も洩らさなければ、昇給も要求しない。柔軟性のない従業員の仕事を徐々に奪っていったとしても、驚くにあたらない。
完全自動運転車の実現はもう近い
世の中に変化をもたらすAIの役割はすでに、オートメーション産業に影響を与えている。「群知能」と呼ばれる、分散型で、自己組織化したシステムの集合的なふるまいの研究をもとにしたAI技術は、安全性向上の分野で活用されている。たとえば1台の車のブレーキセンサーが、ここは凍って滑りやすい道だと検知したとき、クラウドを通してその情報を同じ道路を走る他の車両に送信する。
それゆえ車はもっとインテリジェントになり、次世代の車両には、数千ものセンサーにつながったコンピュータが内蔵される。こうした処理を集合的に行うことで、車はみずからと周囲の環境を監視し、さらには搭乗者にも油断なく目を配るようになるだろう。