東横線跡の新施設は渋谷をどう活性化するか

渋谷から代官山へ結ぶ東急の新プロジェクト

なお、渋谷ブリッジには保育所やホテルが入居することから、清掃工場に隣接することが環境面、営業面双方から懸念材料にならないか気になった。この点については「清掃工場は非常に厳しい環境基準で稼働しており、立地について不安視する声は今のところ聞いていない。むしろ、エリアのイメージを変えていくというプロジェクトの姿勢に共感していただき、保育所、ホテルにも出店を決めていただいた」(東急電鉄・都市創造本部主事 幡場喬二氏)という。

渋谷ブリッジ建設地付近のカーブを通過する東横線の急行(1986年撮影 写真:東急電鉄)

残念なのは、渋谷ブリッジから代官山駅方面に向かうには、間にJR線の線路があり、古い跨線橋を渡らなければならないことだ。せっかく渋谷から代官山への橋渡しという意味を込めて「渋谷ブリッジ」と名付けたものの、バリアフリー対策等を含め改善されなければ、中途半端なブリッジに終わってしまう懸念がある。ただし、これは東急電鉄1社ではどうにもならない問題だ。

昭和20年代の渋谷

ここまで、未来に向けての渋谷の再開発の話題を書いてきたが、最後に、昔の渋谷を振り返る興味深い写真展が開催されているのであわせて紹介したい。「白根記念渋谷区郷土博物館・文学館」では、6月10日まで「昭和20年代の渋谷」という企画写真展を行っている。

白根記念渋谷区郷土博物館・文学館で開催中の写真展「昭和20年代の渋谷」(筆者撮影)

同展では渋谷駅周辺を中心に渋谷区全域の昭和20年代に撮影された写真を展示しており、学芸員の田原光泰氏が撮影した、昔の写真とほぼ同アングルの現代の写真も一緒に展示し、渋谷の風景の変遷を比較できるようにしている。東急百貨店屋上から見た渋谷駅周辺や、当時、渋谷駅に乗り入れていた都電や玉電などの写真も展示されている。数多く並ぶ昔の渋谷の写真を前に、未来の渋谷に思いを馳せるのも悪くない。

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