黒船来航の真意を知らない人に教えたい本質 「明治維新」を地球大で考えてみよう

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しかし、そのためには日本という中継基地がいる。これが米国の当時の世界戦略でした。事実、日本には貿易と同時に複数の貯炭庫の設置を求めたことが、本にも書かれています。

この文庫本4冊は一部絶版になっており、現在は古本しかありません。ただ、『日本遠征記』をベースにした小説があるので紹介しましょう。それが佐藤賢一著、『開国の使者 ペリー遠征記』(佐藤賢一、角川文庫/2014年)です。今の言葉で書かれていてとても読みやすい本です。

融通の利かない杓子定規(しゃくしじょうぎ)な幕僚に対して、頭に血が上ったペリーがぞんざいな口調で怒ったり悩んだりする姿が描かれています。「人間ペリー」の苦闘ぶりを生き生きと描写しながら、当時の史実を紹介しています。

この本のベースになった冒頭の『日本遠征記』は、書店では売っていなくても図書館にはあると思います。ただ、旧字体で書かれていますし、字も小さいです。簡単に読みたいと思われる人は、こちらの小説からどうぞ。そして、物足りないと思った人は、ぜひ『日本遠征記』を手に取ってください。

為替の出発点

日本のグローバリゼーションの出発点を見たら、次は為替の出発点を見ておきましょう。

『大君の通貨 幕末「円ドル」戦争』

『大君の通貨 幕末「円ドル」戦争』(佐藤雅美、文春文庫/2003年)です。

そもそもペリーが来たときに、日本の為替はどのような扱いを受けたと思いますか。

つまり、日本が米国の力によって開国したときに、為替市場(当時は金と銀の交換レート)ではいったい何が起こったのかということです。これをきちんと見ておくと、きっといろいろなことがわかります。日本は明治維新の前後から、いわばグローバルな世界に再び取り込まれたわけですから。

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