賞味期限切れの「北朝鮮」、先は悪材料ばかり?

やはり「セルインメイ」なのか

トランプ大統領の華々しい実績となるはずの「北朝鮮の非核化」が進まない可能性が出てきた。そうなると、やはり貿易問題で票稼ぎ?(写真:ロイター/Carlos Barria)

5月24日、日経平均は3日続落の前日比252円73銭安の2万2437円で引けた。23日にも終値は前日比270円60銭安。日経平均はこれまで3月26日の2万0347円49銭の安値をボトムに上昇を続け、為替も同日の1ドル104.56円を底として、ドル高円安が進んでいた。しかし21日の2万3002円37銭をピークに、日経平均株価は下落、為替は1ドル=110円から109円へ、一気にドル安円高に振れている。

背景にあるのは北朝鮮をめぐる情勢への懸念。4月27日に開催された11年ぶりの南北首脳会談で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が「板門店宣言」に署名したことで、朝鮮半島の非核化に向けて期待が高まっていた。しかし北朝鮮は5月16日には同日に予定されていた南北閣僚会談を中止。6月12日に開催が予定されていた米朝首脳会談について「米国は慎重に熟考する必要がある」と警告していた。

こうした北朝鮮側の揺さぶりに対し、ついに、24日にはドナルド・トランプ大統領が、「今は適切ではない」との書簡を金委員長に送り、米朝首脳会談を6月12日には開催しない考えを明らかにした。双方とも駆け引きを続けている状況にあるものの、先行きの不透明感が増した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘シニア投資ストラテジストは「東アジアの平和を材料とした株価上昇は6月12日まで続くとみられていたが、米朝首脳会談の延期もしくは中止の動きによって、賞味期限が迫っている」と話す。藤戸氏は今後の日本株の動きについて「株価はパターンとして5月から6月に高値をつけて反落することが多い。8月から9月に底値をつけにいくだろう」と語る。

中間選挙に向けて貿易で日本が標的に?

もともと、株には「Sell in May(5月に売れ)」という格言がある。たとえば、2013年5月には、当時のFRB(米国連邦準備制度理事会)議長であるベン・バーナンキ氏のテーパリング(米国の金融緩和縮小)を示唆する発言をきっかけに「バーナンキショック」が起こった。当時、日経平均は5月23日につけた1万5942円をピークに1カ月足らずで22.1%下落し、6月13日に1万2415円をつけた。

2015年には日経平均は6月12日にリーマンショック以来の最高値をつけた。が、その後、上海証券取引所の取引停止などを前哨戦に、8月には中国の人民元切り下げ、いわゆるチャイナショックによる世界同時株安が起きて、日経平均は9月29日に1万6901円まで下落している。

日本企業の多くは3月決算であり、4月末から5月上旬に決算が集中する。そのため、そもそも材料出尽くしによる利益確定売りが出やすくなる。加えて、5月中旬には6月に決算を迎えるヘッジファンドの売りが出やすい。ヘッジファンドの解約には45日ルールが設けられている。解約があればヘッジファンドは現金化が必要となり、利益確定売りが増える傾向にある。

2018年の1〜3月期の運用成績で、ヘッジファンドは苦戦を強いられている。ブルームバーグによれば2月の運用成績は過去2年で最悪の成績だったという。これを踏まえれば、解約は避けられず、5月末、6月上旬に売りが集中することになるだろう。今年も5〜6月が高値となる可能性は十分にある。

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